第二百九話
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焦げ臭い匂いが、鼻につく。
「この匂い、もしや────!」
唐突に起きた異変に、風間さんが動きを止め辺りの様子を窺い始めた。
「火事だ!彼奴ら、退却する時、城に火を放ちやがったぞ!」
「火に巻かれちゃ敵わねえ!さっさと逃げようぜ!」
そんな声が部屋の外から聞こえてきたかと思うと、炎は凄まじい速さで瞬く間に燃え広がり、やがて俺達のいる広間にまで押し寄せてくる。
『うっ……、げほっ、ごほっ』
濃い黒煙が流れ込んできて、喉に突き刺さった。
炎はあっという間に障子や畳に燃え移り、部屋の中は耐え難い熱気で満たされていく。
────と、頭上に違和感を感じた刹那、焼けた天井が俺達の間に落ちてきた。
「くそ……、崩れ始めたか。……土方とやら、この場は預けてやる。勝負はまたの機会としよう。次こそは、貴様の息の根を止めてやるからな。せいぜい楽しんでおくがいい」
風間さんは刀を鞘へと収め、酷薄な笑みを残して広間から姿を消した。