第百八十二話
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“……おい、どうしてそこで諦めちまうんだ?新選組の隊士なら、最後まで生き延びて敵を出し抜く事だけを考えろ────”
突然耳に届いたその声に、俺は驚いて顔を上げる。
「……甲府で戦う相手は新政府軍だけかと思ってたが、まさか、ついでに鬼退治させられる羽目になるとは思わなかったな」
羅刹の姿になった副長が、そこにいた。
闘争心でぎらついた赤い目が、天霧さんをまっすぐに見据えている。
「……この間の風間との戦闘から何も学び取っていないのですか?君達羅刹は、紛い物の鬼です。それがいくら力をつけたところで、本物の鬼に敵うはずがない」
「そりゃあ、やってみなきゃ分からねえだろ。剣術三倍段って知ってるか?刀を持った敵を徒手空拳で倒すにゃ、相手の三倍の実力が必要なんだ」
「……あくまでも修羅の道を歩み続けますか。良いでしょう、相手をしてあげます」
天霧さんは軽く両手を合わせ、一礼するような動作をしてから身構えた。
そこへ、副長の持つ和泉守兼定が凄まじい剣速で打ち込まれる。
「むんっ────!」
天霧さんはその動きを見切り、白刃を素手で捌いて身をかわす。
副長は目を見開き、鬼気迫る形相で兼定を大きく振りかぶった。