第百七十九話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
有難い事に、甲府城に入城した倒幕軍は、俺達を襲ってこなかった。
もし、戦いが始まってきたら、俺達は副長の到着を待たずして全滅していただろう。
だが、百人足らずの人数では、警備の人手が絶対的に足りない。
『……一君、大丈夫?顔色が悪いみたいだけど』
「……平気だ」
今にも倒れてしまいそうなほど蒼白な顔で、一君はそう呟く。
『どう見ても、平気そうには見えないよ。少し、休んだ方が良いんじゃない?』
「……他の場所ならいざ知らず、近いうちに戦場となる場所で休めるはずがない」
『それは、そうだけど……』
空には太陽が燦々と輝いている。
羅刹となった一君は、普通に歩く事すら辛いはずなのに。
もし、ここで戦闘が始まったりしたら……。
お願いだから、副長が戻るまで────何事もありませんように……。
そう祈るしか、出来なかった。