第百七十一話
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「……いやはや、心配掛けてすまなかったな」
局長が暫くぶりに、皆の元へ姿を見せる。
「戦場に出られないというのがここまでもどかしいものだとは思わなかった。……さて、我々の今後の行動についてだが、まずは甲府へ向かい、そこで新政府軍を迎え撃つ事となった。御公儀からは既に、大砲二門、銃器、そして軍用金を頂戴している!ここは是非とも手柄を立てねばな!諸君!」
局長は目を輝かせながら、作戦についての説明を始めた。
今回の任務に当たって、局長は若年寄格、副長は寄合席格、という身分を頂いたらしい。
だけど、新八さんや左之さんの表情は浮かない。
「……なあ、近藤さん。その甲府を守れって話を持ってきたのは、何処の誰だ?」
「勝安房守殿だが……、それがどうかしたのか?」
「勝って人の噂は俺も何度か耳にした事があるが……、はっきり言ってあんまり良い評判を聞かねえぜ。何でも、大の戦嫌いで有名らしい。そんな人が、何で俺達に大砲やら軍資金を気前良く出してくれるんだ?」
「……そもそも、徳川の殿様自体が、新政府軍に従う気満々らしいしな。勝なんとかさんも、同じ意向なんじゃねえのか」
二人の言葉に、局長は顔を顰めた。
そして腕組みをし、胸を反らせながら言い放つ。
「永倉君。原田君、これは幕府直々の命令なんだぞ。確かに戦況が芳しくない為、今は慶喜公も恭順なさっているが……。もし我々が甲府城を守り切れば幕府側に勝算ありと見て、戦に本腰を入れて下さるかもしれん。それに、勝てる勝てないの問題ではない。御上が我々を、甲府を守るに足る部隊だと認めてくれているんだぞ。ならば全力で応えるのが、武士の本懐というものだろう。そうじゃないかね、永倉君」