第百五十話
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────結局、善戦の甲斐もなく、伏見奉行所は火を放たれ、俺達は奉行所を後にする事となる。
新政府の武装は圧倒的で、俺達は撤退するのが精一杯だった。
その撤退にしたところで、敵の目をくらます為にバラバラに逃げたせいか、俺が一緒に逃げられたのは、平助一人。
皆が無事に逃げられたかは分からない。
だけど、皆が集うべき場所はただひとつ。
……大坂城。
あの城には慶喜公がいて、局長がいる。
だから、俺達も今はただ……大坂城へ。
新政府軍に見つからないように森の中を進む事を決めたとはいえ……、光射さない一月の森の中は、酷く寒かった。
四方が全て木の檻の中、動いているのは、俺と……前に立って道を開いてくれている平助だけ。
「ほたる、大丈夫か?歩きにくいけど、新政府軍に見つかるわけにいかねえし……、我慢してくれな」
『平助が先に立ってくれてるから、俺の方は平気だよ。……平助こそ……大丈夫?』
「平気に決まってんだろー?オレ、町育ちだけど、森の中も嫌いじゃ────」
『……違うよ。血の……衝動の方……』
じっと見続ける俺に根負けしたように、平助は枝を掻き分ける手を止め、首を振った。