第百四十一話
夢小説設定
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それから、どれくらい経っただろう。
「雪村君、大丈夫かい?随分落ち込んだ顔をしているようだが」
「井上さん……」
「出て行った皆の事が心配なんだね」
「はい……」
井上さんの問いに、私はこくんと頷く。
「今まで、何度も危ない目に遭った事はありますけど……。こんな風に大砲で攻撃される事なんてありませんでしたから……、皆さんが、本当に戻ってきてくれるのか心配で……」
「大丈夫だ。ちゃんと戻ってくるとも」
「そう……、でしょうか」
「決まっているだろう。武士というものは何があっても、決して約束を違えたりしないものだよ。あの状況で決死隊に志願した永倉君や島田君……、皆、今の世には珍しい本物の武士だ。武士と言うのは……決して女の子を悲しませたりはしないものだよ。だから、大丈夫だ」
井上さんの言葉に、胸の内の不安が少しずつ溶けていくのが分かる。
死んでしまうかもしれないというのに……、井上さんの言う通り、彼らは本物の武士だと思う。
「……はい、分かりました。私も、信じる事にします。皆さんが戻ってくるって」
私は、ぎゅっと、掌を握りしめた。