第百二十八話
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局長が何者かに狙撃され、奉行所の中はぴりぴりした空気に包まれていた。
『……左之さん!』
彼の姿を見つけた俺は、左之さんの傍へと駆け寄る。
「よう。年の瀬だってのに、えらい事になっちまったな」
左之さんは明るい調子を装っているが、やはりいつもの元気がない。
『薩摩と長州との争いが始まった矢先に、こんな事になるなんてね……』
「近藤さんが撃たれたって知らせが届いてすぐ、新八が現場に駆け付けたらしいんだが……。手掛かりひとつ見つからなかったらしいしな。目撃者もいなかったって事だ。……厄介な事になってきたな」
鼻の頭を指で擦る仕草をした後、左之さんはぽつりと呟く。
「……俺達って、一体何の為に戦ってるんだろうな。薩長……、特に長州藩の連中は、池田屋だとか禁門の変で殺された沢山の仲間の弔い合戦のつもりなんだろうが。俺達は何の為に戦うんだろうって、ちょっと考えちまってさ」
『…………』
「近藤さん辺りは今でも、幕府を守る為に戦ってるんだろうが。元々は俺達、幕府の為に戦うような集まりじゃなかった気がするんだよな」
左之さんが言っているのは、きっと京に来る前の事。
遠くを見つめたまま、左之さんはぼんやりと独り言のように話し始めた。