第百二話
夢小説設定
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慶応三年四月────。
離隊から一ヶ月経っても、何処か慌ただしい空気が屯所内を流れたままだった。
複数の幹部が同時に離隊した影響は、実務的にも精神的にも大きかった。
そして総司の体調も、悪化の一途を辿っている。
その穴を埋める為、組の再編成を行ったり、組長代理を立てたり。
動ける幹部達は、息つく暇もないような毎日を送っていた。
『あれ……?新八さーん!左之さーん!』
向こうに見えた二人の名を呼ぶと、彼らはすぐに俺に気付いてくれた。
「よう、ほたる!今、帰りか?」
新八さんが手を上げて答えてくれる。
『うん。新八さんと左之さんもお疲れ様』
すると、新八さんはふと真剣な顔になる。
「……総司の奴、大丈夫なのか?ほたる、今朝彼奴の様子見に行ったんだろ」
『……うん。今日はあんまり体調が良くないみたい』
すると新八さんは渋い顔になり、兄のような口調で言う。
「彼奴、食も細いし好き嫌いも多いし、根性ねえし、飽きっぽいし……そんなんだから、いつまでも治らねえんだよ」
「まあ、お前は大食い過ぎだし、腐りかけの物でも拘らずに食うし、無駄に根性あり過ぎだけどな」
「うるせえな!好き嫌いねえのとか、根性があんのは良い事じゃねえか」
「……しかし、こんだけ長い間ずっと風邪引いてるってのもおかしな話だよな」