第百十六話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
京の都にある無数の裏道のひとつ、油小路。
裏道特有の無数に存続する暗がりに、新八さん、左之さんを初めとする隊士達が身を潜めていた。
『新八さん、左之さん』
囁くように彼らの名を呼ぶと、二人は驚いたように振り返る。
「ほたる……お前、何でこんなところにいるんだよ?」
「確かお前が命じられたのは、伊東さんの接待だったはずだよな」
────そう。
先刻まで、俺は伊東さんと一緒にいた。
最初こそ警戒心を隠さなかった伊東さんだったが、得意の話題に水を向けられ、お酒が入るとどんどん上機嫌になっていった。
……それから一刻。
とめどなく自分の論を語り終え、伊東さんがほろ酔い気分で去っていく。
「……後味が悪いものだな……」
その背中を眺めながら、局長が呟く。
「これが俺達の選んだ道。俺達の仕事だ。……威張れるものじゃない。こんな汚い仕事だってある……。大将も……ほたるも、あまり深く背負い込むな。計画したのも指示したのも、俺なんだからな」
程なくして、千鳥足の伊東さんは、殆ど抵抗も出来ぬまま暗殺された。
『…………』
自分の仕事を終え、屯所へと戻った俺だったが、その門をくぐろうとしたところで足を止める。
『……やっぱり、このまま帰るわけには行かない……!』
俺は踵を返し、夜の闇に包まれた京の町へと足を向けた。