第百十話
夢小説設定
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慶応三年九月────。
紅葉も色付き、秋の気配も深まる頃。
朝食にも姿を見せなかった副長の部屋へと、俺は足を向けていた。
『如月です。お茶をお持ちしました』
「入れ」
『失礼します』
短い返事に答えてから、そっと襖を開ける。
「ご苦労だったな、ほたる。適当なとこに置いてけ」
『はい……』
「どうした。他に用でもあるのか」
俺の視線に気付いた副長が、机を向いたまま、問い掛けてくる。
『あの、副長……。髪が邪魔じゃないですか?』
つい、副長から目を離せなかった理由。
彼は、普段はきっちり結っている髪を今日は下ろしていた。
「邪魔だ」
『だったら────』
「だが、結うのは面倒でな。今はその一手間が惜しい。片付けなきゃならねえ仕事が、それこそ山のようにあるんだ」