第百九十八話
夢小説設定
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俺達が流山にある金子邸へ移ってから、そろそろ一週間になろうとしている。
『……一君、お茶はどう?』
相変わらず仕事に勤しんでいる一君に、そう声を掛ける。
「……俺よりも、局長に持って行ってあげてくれ」
『局長には、千鶴ちゃんが持って行ってくれたよ。一君もあまり根を詰めないで少し休憩を入れた方が、仕事、捗ると思うよ』
そっと文机に置かれた湯呑みを、一君は暫く無言のまま見つめていた。
そして、静かに口をつけてくれる。
「……新選組というのは、本物の武士達の拠り所だと思っていた」
『うん……?』
誰にともなく呟かれた言葉に、俺は耳を傾ける。
「脱藩して太刀を振るう場所をなくし、武士として死んだも同然だった俺を生き返らせてくれたのは新選組だ。だが……、本物の武士だと思っていた新八が抜け、左之が抜け……、近藤さんも戦う意欲を失ってしまっている。新選組も、新八も左之も近藤さんも本物だったはずなのに、行く手がそれぞれ分かれてしまったのは何故だと思う?」