第百九十七話
夢小説設定
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慶応四年四月────。
俺達は流山の金子邸に身を寄せ、会津行きの準備を進めていた。
一君は相変わらず休む事なく、働き続けている。
『……一君、日が沈むまでは休んで。またこの間みたいに倒れたらどうするの?』
文机に向かっている一君に注意すると、彼は露骨に顔を顰めてしまう。
「……自分の身体の事は、自分が一番良く分かっている。あんたが心配する事ではない」
『そんな事言って……。この間は自分の限界に気付かずに働き続けて、倒れちゃったの誰だっけ』
「同じ過ちを、二度繰り返したりはしない」
『……その言葉は、信用出来ないな』
「どういう意味だ、それは。俺が嘘を言っているというのか」
俺の言葉に、一君は不快げに眉を顰める。
だけど、俺も引くつもりはなかった。
『一君は、自分の身体を労ったり楽をしたりする事を知らない人だから。……きっとまた無理をして倒れてしまうに決まってる。その時、またこの間のように血を呑ませてあげられるとは限らないんだよ?もしかしたら人目のある所で倒れてしまうかもしれないし、俺が傍にいないかもしれない』