第百九十六話
夢小説設定
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「とりあえず、近藤さんに気合いを入れ直してもらって、北に行ってからだな。今の幕府は頼りにならねえが、東北諸藩が残ってる。会津、仙台が中心になりゃ、まだまだ戦えるはずだ」
副長の瞳に、僅かな光が戻る。
「松本先生の手配で流山に武器弾薬、そして人も集めてもらってるんだ。そこで皆と合流して会津に向かう。仮に、江戸を薩長に取られたとしても、奴らはいずれ京都に戻らなきゃならねえはずだ。そうなったら、すぐに江戸を取り戻して……」
そう言い掛けた時、副長が突然胸を押さえて苦しみ始める。
「ぐっ……!く、う……!」
食いしばった歯の間からは、苦しげな呼吸と共に呻き声が洩れた。
『ふ、副長!?大丈夫ですか!?』
だが彼は無言のまま、かぶりを振って声にならない苦痛を一人で堪えようとするばかり。
『……血ですか?』
俺の問いには頷いてくれなかったけど……、発作に襲われている事は明白だった。
……副長が苦しんでいるなら、俺が取る行動は他にない。
指先に傷を付けようと、腰の刀を引き抜いた。