第百話
夢小説設定
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先程の平助と一君の顔を思い出しながら、行く宛てもなくとぼとぼと歩いていた時だった。
『……あれ……?』
そこに、彼はいた。
何をするわけでもなく、中庭の腰掛けに、ただ座って空を見上げている。
『平助……』
俺の呼び掛けに、はっとした表情で平助は振り返った。
「ほたる……」
『……隣、座っても良いかな』
「……ああ」
沈黙が流れる。
互いに、何を口にして良いものか迷っていた。
あれだけいつも下らない言い合いをしていたのに、こんな時に限って、言葉が思い付かない。
────先に口を開いたのは、平助の方だった。
「すっかりあったかくなったなぁ」
青空を見上げながら、平助は目を細める。
春の陽射しが、俺達に降り注いでいた。
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