第九十六話
夢小説設定
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京の都には、もう桜が咲き誇っていて、町全体が華やいだ雰囲気に包まれていた。
穏やかな春の陽気に、自然と足取りも弾む。
「良いよ、急がなくたって。何処か行く宛があるわけじゃないし。散歩だと思って、ゆっくり行けば良いよ」
「……気を、付けます」
今日は、総司率いる一番組、それから千鶴ちゃんと共に巡察に出ている。
「……そういえば、伊東さんはもう畿内から京に戻ってきているんですか?」
「そうみたいだね。帰ってこなくても、一向に構わなかったんだけど」
表情ひとつ変えず、総司はいつもの様子でそんな事を言う。
「確か、同志を募りに畿内を回ってきたんですよね?」
「っていう話だけど、果たしてあの人、何処まで行ってきたのかなあ」
「何処までって……。畿内より遠くに行ったんだとしたら、伊東さんは凄く新選組想いな人ですよね」
千鶴ちゃんの言葉に、総司は静かに目を細めた。
「ふうん、君はそう思ってるんだ」
「……違うんですか?」
「ううん、違わないけどね。……ね、ほたる」