第八十八話
夢小説設定
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「で、何しに来た」
広間に入って早々、副長の厳しい視線が向けられる。
「うわ。そんな怖い顔しなくても良いだろ?オレ達がせっかくお茶を持ってきてやったのに」
「いや、茶はありがたいぞ!ちょうど喉が渇いたところだ」
平助の考えた作戦は、お茶を出しに行くついでに事件を誤魔化す事。
個人的には、物凄く分の悪い賭けだと思う。
「今日の平助はらしくもなく、随分と気が利くんだな?こういうのは大抵、後ろ暗いとこがある時だろ。さっきから屯所が騒がしいのと、関係あるんじゃねえだろうな?」
「い、嫌だなあ土方さん!そんなのあるわけないじゃん。いつもお疲れの局長達に差し入れしようって気分になった、部下の心を汲んでくれって!」
「…………」
副長は渋い顔で平助を見ていたが、やがて目を細め、俺と平助を交互に見やる。
「どうして二人で来た。何か理由でもあるのか」
「え。そりゃ此奴の淹れた茶の方が、いつもより美味いだろ……?」
「おお。言われてみれば、気分が華やかになるな。平助の言う通りだ!」
苦し紛れの言葉に、局長は大きく頷き微笑んでくれた。