第八十一話
夢小説設定
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『う、寒っ……』
ある日の朝、身を切るような冷たさの中で俺は目を覚ます。
吐く息が白くなり、障子の向こうにうっすら透けて見える景色が妙に明るい。
これは、もしかして……。
『わぁっ……』
外の景色を目にした瞬間、思わず感嘆の声が洩れる。
空からはらはらと舞い落ちる風花が、境内を白く染め上げていた。
『……あれ?』
境内に黒い着物を纏った後ろ姿を見つけた俺は、外に出ると、その背中に声を掛けた。
ゆっくりと、一君が振り返る。
「……ほたるか。今日は随分と早起きなのだな」
『一君こそ。一人で何してたの?』
「先程まで、道場で剣の稽古をしていた。……稽古を終えた後、雪が積もっているのに気付いたから足を止めてみた。……それだけだ」
言い終えた後、一君は何とも感慨深げな眼差しで真白い空を見上げる。