第七十話
夢小説設定
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数日後。
俺と副長は、今回協力してくれたお千さんと君菊さんにお礼を言う為島原へとやって来た。
だけど……。
「あっ、芸者と駆け落ちしはった土方さんが歩いてはる」
「大胆な事しはりましたなぁ。あんなええ男なら、うちも連れ去られたいわぁ」
置屋の格子窓から、芸者のお姐さん方の楽しそうなお喋りが聞こえてくる。
黙ったままそれを聞いていた副長は、疲れた溜め息を洩らした。
「……だから、駆け落ちじゃねえって言ってんのに。噂にゃ尾ヒレが付きもんだが、もう少しましなヒレを付けて欲しいもんだ」
『す、すみません……!』
「……別に、詫びる事じゃねえよ。今回、浪士共を捕まえられたのはお前のお陰なんだからな。ただ……暫く此処にゃ来られねえだろうな。無駄に顔が売れちまったし」
新八さんや左之さん、平助ほど頻繁じゃないにしても……。
副長も気晴らしに、島原でお酒を呑みたい時もあると思うのに。
「まあ、酒を呑みたくなったらお前に酌してもらえば良いだけの事か」
冗談めかして言った後、副長はふと足を止めて俺を見つめる。