第六十六話
夢小説設定
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声が、聞こえた気がした。
『…………?』
ふわりと何かに包まれたような、そんな感覚。
次第に真っ暗だった視界が明るくなっていく。
「ほたる……」
誰……?
確かに、聞こえたんだ。
私を、私の名前を、呼ぶ声が。
「ほたる、朝よ。起きなさい」
『母さん……?』
「ほたる、聞こえるかい?耳を澄ませばこんなにも近くに感じる事が出来るんだ。さぁ、目を開けてごらん。怖がらないで。この世には、こんなにも綺麗な世界があるのだよ」
『玲樹様……?』
懐かしい声が、体の中に響く。
優しくて、温かくて、大好きな、声が。
だけど、私は目を開ける事が出来ない……。
その声の人達を掴もうと手を伸ばすが、空を切るだけで収まるものは何もない。
やっぱり、私は一人なんだ……。
ここには、誰もいない。
大切な人達は、みんな、私の元から消えてしまった。
目の前の世界から、再び光が失われていく。