『……一君！』


「何だ、貴様……てめえには関係ねえだろ」


「生憎、無関係ではない。俺はこの角屋の用心棒だからな」



よ、用心棒……？



「此処にいる芸妓を不埒な客から守るのが役目だ。……っ！？」



相手に向けられていた一君の視線が、俺のものとぶつかった瞬間。

何故か、一君の動きがぴたりと止まってしまった。



『は、一君……？』


「ほたる、なのだな……？」


『そう、だけど……』


「まさかここまで見違えるとは……。あんたがこのような格好しているのは、あくまで隊務の為……もしかするとあんた自身は、内心その出で立ちを不本意だと思っているかもしれんが……が、しかし、それでもやはり悔いを残さぬ為には今告げておくべきだろう」


「おい、こっち向きやがれ！俺を無視して二人の世界作ってんじゃねえ！てめえ、馬鹿にしやがって！……ぐわっ」