第五十八話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おい、女。盃が空になっているぞ。さっさと酌をしろ」
『はい、ただいま』
広間での宴は既にたけなわと言った様子で、中にはすっかり酔い潰れて寝てしまっている浪士もいた。
「……一人だけで呑んでいても、つまらんな。お前も呑め」
『申し訳ありません。私、お酒は苦手でして……』
「何を言っている?酒の相手も出来んで、何が芸者か!良いから呑め!」
「おいおい、新人の芸者をいびったりしては可哀想だろう。娘、こっちへ来い!」
すぐ横で呑んでいたもう一人の浪士が、そう言いながら俺を近くへ引き寄せようとする。
「貴様、その女は俺が先に目を付けていたのだぞ。横取りは寄せ」
「何を言っている。酔っ払っいはそっちで寝てろ。さ、娘、向こうでわしと花札でも」
『あ、あの……!』
二人の浪士に、両腕を引っ張られる。
どちらも完全に泥酔してしまっていて、俺の言葉なんて耳に入らない様子だ。
どうしよう!?
そう思った矢先、広間の奥で一人、お酒を呑んでいた浪士が立ち上がり────。