第三十九話
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慶応二年三月────。
幕府と長州の関係は確実に、少しずつ悪化していた。
【第一次長州征伐】も、決してそれまでの素行だけを原因に行われたのではない。
池田屋事件や禁門の変など、大事件がその背景にある。
そして第二次長州征伐に備え、幕府は再び動き出した。
局長や伊東参謀も幕府の使節に同行する形で西国に向かっている。
局長不在の間は副長が、新選組の留守を預かっている。
厳しく取り締まられる毎日に、一部の隊士が不満を溜めていたある日の出来事────。
「あ~……くそっ!何なんだよ、最近の土方さんは!前にも増して口煩くなりやがって」
「だよなぁ……さっきもさ、ちょっと外に出ようとしただけで行き先を根掘り葉掘り聞かれちまって」
悪態をついているのは新八さん。
それに、平助が同調して頷く。
「……ま、近藤さんがいねえ間に問題でも起きちまったら大事だしな。土方さんも色々考えてるんじゃねえのか」
「そうかあ?例えば、伊東さんとかその取り巻きには、何も言わねえじゃねえか。長い付き合いだからって、俺達の事を軽く見てるんじゃねえのか」
左之さんの言葉にも、新八さんは不満しきりと言った様子で床へごろんと寝転がる。
そして、暫くの間 天井を見詰めた後────。
「よし、決めた!これから街に繰り出すぞ!皆、支度しろ!」
「えっ?街に、って……。 これからですか?」
千鶴ちゃんがそう言うのも無理ない。
ここ最近の副長は夜の外出に良い顔をしないのだ。
「当たり前だろ!坊さんじゃあるまいし、 寺ん中に閉じ篭もってられるかよ。折角の夜だってのに。平隊士共も 誘ってやらなきゃな!土方さんがあんなだから、外出しにくくて剥れてるだろうし」
新八さんはそう言いながら、早速走って行ってしまう。
「……とりあえず、ついてって彼奴を見張っといた方が良さそうだな。相当、鬱憤が溜まってるみてえだから」
『そうだね……』