第三十五話
夢小説設定
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慶応元年八月────。
茹だるように暑い、ある夏の日の事。
『暑い……』
京の夏は江戸よりも湿度が高く、粘つくような空気を纏っている。
『確か新八さんと左之さんは、道場で稽古してるんだよね。源さんはちょっと前に、買い出しに行ったし……』
ふと誰かが部屋の前の廊下を通ったような気配を感じた。
『この足音は……、烝君?』
彼は副長直轄の諸士監察方で、市中の様々情報を調べ出すのが仕事。
つまり俺と同じ。
『副長に何か報告かな?』
と思いきや彼は副長室とは反対の方向に歩いて行く。
誰に用か知らないけど、今日は皆、留守だって伝えた方が良いかな。
けれど彼は普段と違って、まるで人目を避けるようにこそこそしているみたい。
『どうしたんだろう』
何か起きたのかと心配になって、俺は思わず烝君の後を追う。
とある部屋の前に来た彼は、中に誰もいないのを確かめると襖を開いて中に入った。
あれは……総司の部屋?
『……ああ、なるほどね』
状況を理解した俺は、気配を消して部屋に近付く。