第三十二話
夢小説設定
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その日、俺は一君達と共に巡察に出ていた。
京は周囲を山に囲まれている為か熱気が立ち込めており、耐え難い蒸し暑さがある。
俺は、額を滑り落ちてきた汗を手拭いで拭う。
「……大丈夫か、ほたる。 随分暑そうだが」
ふと、先を歩いていた一君が此方を振り返りながら尋ねてきた。
『うん、平気』
俺は笑顔を向けながら答える。
「そうか。……具合が悪くなったら、すぐに言え」
『一君こそ、暑くないの?黒の着物に、その羽織』
「暑さ自体は、耐えられぬ程ではない。ただ……」
『ただ?』
そう尋ねると、一君は腰の刀にそっと手を掛けた。
「京の夏は湿気が多く、気を抜くと刀が錆びてしまう。早く秋になってくれぬものか……」
どうやら一君は、 自分の身より刀が錆びてしまわないかの方が気になっているようだ。
一君らしいな。