歓談がお開きになり、私は自分のお仕事に専念する事にしようと竹箒を手に、外のお掃除をしていた。


すると────。



「……お前は雑用をやらされているのか？」


「っ！？」



突然背後から、嘲笑うような声が聞こえた。



「…………」



聞き覚えのある声に身を強張らせて、私は恐る恐る振り返る。



「鬼の血を引いているお前が、人間の使い走りとはな」



やはり、風間さんだった。

呆れたような、馬鹿にするような……、醒めた瞳が私を見下ろしている。


私は竹箒を両手に握って身を構えると、見くびられないように精一杯声を張り上げた。



「な、何をしに来たんですかっ！？」


「そんなもので俺と戦う気か？滑稽を通り越して、哀れにすら感じるぞ」



冷ややかな瞳が嘲るように私を見ている。