第二十話
夢小説設定
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慶応元年閏五月────。
新しい屯所の広間は、その名に相応しく、とにかく広い。
隊士が全員集合しても充分な余裕を取れる、端まで声が届くか心配になる広さ。
そんな広々とした空間に、今日は、朗々たる近藤さんの声が響き渡っていた。
「皆も、徳川第一四代将軍、徳川家茂公が上洛されるという話は聞き及んでいると思う。 その上洛に伴い公が二条城に入られるまで、 新選組総力をもって警護の任に当たるべし……、との要請を受けた!」
将軍様の警護を、新選組が……!?
事態を理解した隊士さん達が歓声を上げる。
「ふん……池田屋や禁門の変を見て、さすがのお偉方も、俺らの働きを認めざるを得なかったんだろうよ」
そういう土方さんも、満更でもない顔をしている。
「警護中は文字通りの意味で、僕らの刀に国の行く末が懸かってる……なんてね」
冗談めかして笑う沖田さんの言葉を聞くと、別に私が警護をするわけでもないのに、緊張に汗が滲んできた。
……そんな中、ぽつり、と伊東さんが呟いた。
「上洛の警護とはまた。もしも山南さんが生きていれば……本当に惜しい人を亡くしましたねぇ……」
伊東さんは、山南さんが死んだと思っている。
ううん、というよりも、あの薬の一件は徹底的に隠されている為、山南さんの生存を知っているのは極一部の人だけだ。