★旧Request Dream
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「名無しさん、誕生日おめでとう!」
「皆、ありがとう!」
本日はバーダック宅で名無しさんのバースデーパーティーが開かれていた。
参加メンバーはバーダック、ラディッツ、カカロット、ターレス、ベジータ、ブロリーの六人。
各々用意したプレゼントを名無しさんに渡そうという時、ターレスが口を挟んだ。
「ちょっと待て。そのままプレゼントを渡すだけって、つまらないと思わないか?」
「ターレス。お前、何を企んでやがる?」
思わず眉根を寄せてターレスを睨むバーダック。
ターレスはニヤリと笑って全員の顔を順番に眺める。
「企むなんて人聞きが悪いな、バーダック。オレはパーティーを盛り上げるために、素晴らしいルールを思いついたのよ」
「ルールって、何を思いついたの?」
主役の名無しさんが逸早く興味を示した。
その様子を見たターレスの眼がギラリと光る。
「名無しさんを一番虜にする台詞を言ったヤツが、彼女から頰っぺたにキスの褒美が貰えるってのはどうだ!」
「!?」
ターレスが声高らかに叫んだ瞬間、男達は全員目の色を変えた。
「頰っぺにキスかあ。ちょっと恥ずかしいけど、面白そうだからやろっか!」
名無しさんはお遊び程度で話に乗ったが。
【名無しさんからの頰っぺたにキスはオレの物だ!!】
男達は戦闘時以上の闘志をメラメラと燃やした。
それもその筈、ターレスを含めた全員が名無しさんに一途な想いを寄せているからだ。
「プレゼントを渡す順番は、勝っても負けても文句なしのじゃん拳で決めるぜ?」
ターレスの提案に異論を唱える者はなく、プレゼントを渡す順番をじゃん拳で決めた結果。
すかさず、一番手のラディッツが名無しさんに詰め寄る。
「名無しさん、誕生日おめでとう。オレはお前が生まれた今日、この日を一緒に祝うことが出来て嬉しい。これからも、その可愛い笑顔でオレの心を癒してくれ」
ラディッツはいつになく真剣な面持ちで名無しさんを見つめ、プレゼントを差し出した。
しかし、名無しさんは首を捻る。
「う~ん……ラディッツってば、必要以上にカッコよく見せようとしてない? 肩に力が入り過ぎてるから、もう少し砕けた感じが良かったかな」
「ま、マジかよ……」
ラディッツ、全く相手にされず敢えなく玉砕。
「くくくっ……残念だったな、ラディッツ。名無しさんからの褒美はオレが貰うぜ」
「何言ってんだよ、父ちゃん! 名無しさんからの褒美はオレのもんだ!」
「おい、そこの親子! 自分達の前にオレがいるってことを忘れるなよ!?」
名無しさんを巡って、バーダック、カカロット、ターレスが火花を散らす。
「ふん、騒がしい連中だな。オレに回ってきた時点で、勝負は決まったも同然だろう」
余程自信があるらしいベジータは名無しさんの前で、童話に登場する王子様のように恭しく跪き、プレゼントを差し出した。
「っ……王子」
名無しさんの表情が強張ったが、ベジータは気づかず……。
「今日はオレにとって特別な日だ。名無しさんという素晴らしい女が生まれてきてくれた最高の記念日に、オレが心から祝ってやる。誕生日おめでとう、名無しさん」
「王子~……!」
「名無しさん?」
「王子が私の前に跪くなんて何考えてるんですか!? 王子としての威厳が台無しじゃないですか!」
ベジータは不幸にも名無しさんの怒りを買ってしまった。
「なっ!? オレはだな、名無しさん……」
予想外の展開に狼狽えるベジータ。
「言い訳なんてしないで下さいっ!」
「くっ……無念だ」
ベジータ、名無しさんに一喝されて無惨にも散っていった。
「この勝負、オレが貰ったな」
自信満々のターレスが、名無しさんの腰に手を回して引き寄せる。
「えっ……ターレス!?」
名無しさんは突然のことで、どうしたら良いのか分からない。
「ターレス、名無しさんを抱くなんて卑怯だぞ!」
「その薄汚い手を放しやがれ、このエロレタスが!」
「……名無しさんから離れろ」
カカロット、バーダック、ブロリーの戦闘力が一気に上昇したが、ターレスは我関せず。
「名無しさん、誕生日おめでとう。今日は一生忘れられない想い出を作ろうぜ。もちろんオレと二人だけで、あんなことやこんなこと……グハァッ!」
無残にもターレスは三人の男達の手で全治三ヶ月の怪我を負わされ、無事名無しさんの貞操は守られた。
「ホント、ターレスは最低なヤツだ! 名無しさんが判断する価値もねえっつーの!」
今回ばかりはサイヤ人の中でも比較的温厚なカカロットでさえ憤慨したようだ。
「カカロット……」
名無しさんは何故か表情を曇らせる。
「改めて、名無しさん誕生日おめでとうな! また一歩大人になったおめえの新しい一年が始まるんだ。オレが心を込めて名無しさんを祝ってやるよ!」
太陽よりも眩しい笑顔を名無しさんに向けて、プレゼントを差し出すカカロット。
「……私、カカロットの怒った顔なんか見たくなかった」
名無しさんは俯いて、ぽつりと呟いた。
「へ?」
カカロットは訳が分からずに首を捻る。
「カカロットは私の中で唯一癒しキャラだったのに……あんなカカロット見たら、どんなカッコいいこと言われても意味ないよ」
「そ、そりゃあねえよ~……」
憐れカカロットはショックのあまり放心状態に陥った。
「ったく、どいつもこいつもダラシねえガキどもだぜ……」
いつの間にか酒を掻っ食らっていたバーダックは泥酔状態らしく、ふらふらと頼りない足取りで名無しさんに近寄った。
「バーダック!? なんで肝心な時に酔っ払って……あっ!」
不意に力強い腕に抱き留められて、動けなくなってしまった名無しさん。
「名無しさん……誕生日おめでとうな。お前がこの世に生まれてきてくれて、オレは嬉しいぜ。これからも、オレの傍にいて……くれ……」
「バーダック?」
バーダックは名無しさんに抱きついたまま、酔い潰れて眠ってしまった。
「寝てるよ、この人……一番ダラシないのはバーダックじゃない! しかも、重いっ……!」
「名無しさん、大丈夫か?」
名無しさんに覆い被さったバーダックをブロリーが引き剥がして、彼女の顔を覗き込んでくる。
「ハァ……ありがとう、ブロリーのお蔭で助かったよ」
気にするな、それよりもとブロリーは真摯な眼差しを名無しさんに向けて言葉を紡ぐ。
「名無しさん、誕生日おめでとう」
ブロリーは名無しさんの目の前にプレゼントを差し出した。
「これはオレの気持ちだ」
それは、真っ赤な薔薇の花束だった。
「わっ、綺麗!」
それを目にした名無しさんは感嘆の声を漏らして、ブロリーから丁重に花束を受け取る。
嬉しそうに花束を抱える名無しさんを見て、ブロリーは静かに微笑んだ。
「あっ……」
ブロリーは名無しさんの片手を取り、指を絡めて細く白い手の甲に軽く口づける。
「!?」
すると、名無しさんの心臓が大きく高鳴った。
「この勝負、ブロリーの独り勝ちね」
名無しさんは照れながら小さく笑うと、ブロリーの頬に可愛らしい音を立ててキスをした。
こうして男達の熱き闘いは、ブロリーが名無しさんのハートを射止めて、終幕を迎えるのだった。
その後。名無しさんとブロリーは彼女の家で、二人だけの甘いひと時を過ごしていた。
リビングのソファーに寄り添い、ブロリーが名無しさんの肩に腕を回して、慈しむように彼女の髪の毛を梳いている。
ふとテーブルに飾られた薔薇に目をやるブロリー。
「名無しさんは薔薇の花言葉を知っているか?」
「薔薇の花言葉……有名なのは情熱だよね。そのくらいしか知らないけど、ブロリーは詳しいの?」
「多少はな。薔薇には葉や枝、棘にまで花言葉があるんだ」
「例えば、赤い薔薇はどんな花言葉があるの?」
「赤い薔薇の葉は無垢の美しさ、あなたの幸福を祈る。蕾は純潔、恋の溜め息、あなたに尽します……だそうだ」
「へえ、赤い薔薇ってやっぱり情熱的な花言葉が多いんだね」
「ああ。赤い薔薇には情熱に加えて愛情、熱烈な恋、真実の愛。それと、もう一つ花言葉があるんだが……知りたいか?」
「うん、教えて?」
素直に頷く名無しさんを見たブロリーは穏やかに微笑み、
「……あなたを愛します、だ」
名無しさんの耳元でそっと囁いた。その吐息が彼女の耳を擽り、一瞬にして頬が朱に染まる。
「この赤い薔薇に込められている花言葉の一つ一つが、名無しさんに対するオレの気持ちだ」
「っ……そんなキザな台詞、ブロリーじゃなかったら張っ倒してたかも……」
名無しさんは顔を赤くしたまま、恥ずかしそうに目を伏せた。
「名無しさん。来年からはお前の誕生日を、オレだけに祝わせてくれないか?」
ブロリーの問いかけに、名無しさんは嬉しそうに笑顔で頷いた。
ゆったりと薔薇の香りに包まれた空間で、二人は秘密の約束を交わすのだった。
END
「皆、ありがとう!」
本日はバーダック宅で名無しさんのバースデーパーティーが開かれていた。
参加メンバーはバーダック、ラディッツ、カカロット、ターレス、ベジータ、ブロリーの六人。
各々用意したプレゼントを名無しさんに渡そうという時、ターレスが口を挟んだ。
「ちょっと待て。そのままプレゼントを渡すだけって、つまらないと思わないか?」
「ターレス。お前、何を企んでやがる?」
思わず眉根を寄せてターレスを睨むバーダック。
ターレスはニヤリと笑って全員の顔を順番に眺める。
「企むなんて人聞きが悪いな、バーダック。オレはパーティーを盛り上げるために、素晴らしいルールを思いついたのよ」
「ルールって、何を思いついたの?」
主役の名無しさんが逸早く興味を示した。
その様子を見たターレスの眼がギラリと光る。
「名無しさんを一番虜にする台詞を言ったヤツが、彼女から頰っぺたにキスの褒美が貰えるってのはどうだ!」
「!?」
ターレスが声高らかに叫んだ瞬間、男達は全員目の色を変えた。
「頰っぺにキスかあ。ちょっと恥ずかしいけど、面白そうだからやろっか!」
名無しさんはお遊び程度で話に乗ったが。
【名無しさんからの頰っぺたにキスはオレの物だ!!】
男達は戦闘時以上の闘志をメラメラと燃やした。
それもその筈、ターレスを含めた全員が名無しさんに一途な想いを寄せているからだ。
「プレゼントを渡す順番は、勝っても負けても文句なしのじゃん拳で決めるぜ?」
ターレスの提案に異論を唱える者はなく、プレゼントを渡す順番をじゃん拳で決めた結果。
すかさず、一番手のラディッツが名無しさんに詰め寄る。
「名無しさん、誕生日おめでとう。オレはお前が生まれた今日、この日を一緒に祝うことが出来て嬉しい。これからも、その可愛い笑顔でオレの心を癒してくれ」
ラディッツはいつになく真剣な面持ちで名無しさんを見つめ、プレゼントを差し出した。
しかし、名無しさんは首を捻る。
「う~ん……ラディッツってば、必要以上にカッコよく見せようとしてない? 肩に力が入り過ぎてるから、もう少し砕けた感じが良かったかな」
「ま、マジかよ……」
ラディッツ、全く相手にされず敢えなく玉砕。
「くくくっ……残念だったな、ラディッツ。名無しさんからの褒美はオレが貰うぜ」
「何言ってんだよ、父ちゃん! 名無しさんからの褒美はオレのもんだ!」
「おい、そこの親子! 自分達の前にオレがいるってことを忘れるなよ!?」
名無しさんを巡って、バーダック、カカロット、ターレスが火花を散らす。
「ふん、騒がしい連中だな。オレに回ってきた時点で、勝負は決まったも同然だろう」
余程自信があるらしいベジータは名無しさんの前で、童話に登場する王子様のように恭しく跪き、プレゼントを差し出した。
「っ……王子」
名無しさんの表情が強張ったが、ベジータは気づかず……。
「今日はオレにとって特別な日だ。名無しさんという素晴らしい女が生まれてきてくれた最高の記念日に、オレが心から祝ってやる。誕生日おめでとう、名無しさん」
「王子~……!」
「名無しさん?」
「王子が私の前に跪くなんて何考えてるんですか!? 王子としての威厳が台無しじゃないですか!」
ベジータは不幸にも名無しさんの怒りを買ってしまった。
「なっ!? オレはだな、名無しさん……」
予想外の展開に狼狽えるベジータ。
「言い訳なんてしないで下さいっ!」
「くっ……無念だ」
ベジータ、名無しさんに一喝されて無惨にも散っていった。
「この勝負、オレが貰ったな」
自信満々のターレスが、名無しさんの腰に手を回して引き寄せる。
「えっ……ターレス!?」
名無しさんは突然のことで、どうしたら良いのか分からない。
「ターレス、名無しさんを抱くなんて卑怯だぞ!」
「その薄汚い手を放しやがれ、このエロレタスが!」
「……名無しさんから離れろ」
カカロット、バーダック、ブロリーの戦闘力が一気に上昇したが、ターレスは我関せず。
「名無しさん、誕生日おめでとう。今日は一生忘れられない想い出を作ろうぜ。もちろんオレと二人だけで、あんなことやこんなこと……グハァッ!」
無残にもターレスは三人の男達の手で全治三ヶ月の怪我を負わされ、無事名無しさんの貞操は守られた。
「ホント、ターレスは最低なヤツだ! 名無しさんが判断する価値もねえっつーの!」
今回ばかりはサイヤ人の中でも比較的温厚なカカロットでさえ憤慨したようだ。
「カカロット……」
名無しさんは何故か表情を曇らせる。
「改めて、名無しさん誕生日おめでとうな! また一歩大人になったおめえの新しい一年が始まるんだ。オレが心を込めて名無しさんを祝ってやるよ!」
太陽よりも眩しい笑顔を名無しさんに向けて、プレゼントを差し出すカカロット。
「……私、カカロットの怒った顔なんか見たくなかった」
名無しさんは俯いて、ぽつりと呟いた。
「へ?」
カカロットは訳が分からずに首を捻る。
「カカロットは私の中で唯一癒しキャラだったのに……あんなカカロット見たら、どんなカッコいいこと言われても意味ないよ」
「そ、そりゃあねえよ~……」
憐れカカロットはショックのあまり放心状態に陥った。
「ったく、どいつもこいつもダラシねえガキどもだぜ……」
いつの間にか酒を掻っ食らっていたバーダックは泥酔状態らしく、ふらふらと頼りない足取りで名無しさんに近寄った。
「バーダック!? なんで肝心な時に酔っ払って……あっ!」
不意に力強い腕に抱き留められて、動けなくなってしまった名無しさん。
「名無しさん……誕生日おめでとうな。お前がこの世に生まれてきてくれて、オレは嬉しいぜ。これからも、オレの傍にいて……くれ……」
「バーダック?」
バーダックは名無しさんに抱きついたまま、酔い潰れて眠ってしまった。
「寝てるよ、この人……一番ダラシないのはバーダックじゃない! しかも、重いっ……!」
「名無しさん、大丈夫か?」
名無しさんに覆い被さったバーダックをブロリーが引き剥がして、彼女の顔を覗き込んでくる。
「ハァ……ありがとう、ブロリーのお蔭で助かったよ」
気にするな、それよりもとブロリーは真摯な眼差しを名無しさんに向けて言葉を紡ぐ。
「名無しさん、誕生日おめでとう」
ブロリーは名無しさんの目の前にプレゼントを差し出した。
「これはオレの気持ちだ」
それは、真っ赤な薔薇の花束だった。
「わっ、綺麗!」
それを目にした名無しさんは感嘆の声を漏らして、ブロリーから丁重に花束を受け取る。
嬉しそうに花束を抱える名無しさんを見て、ブロリーは静かに微笑んだ。
「あっ……」
ブロリーは名無しさんの片手を取り、指を絡めて細く白い手の甲に軽く口づける。
「!?」
すると、名無しさんの心臓が大きく高鳴った。
「この勝負、ブロリーの独り勝ちね」
名無しさんは照れながら小さく笑うと、ブロリーの頬に可愛らしい音を立ててキスをした。
こうして男達の熱き闘いは、ブロリーが名無しさんのハートを射止めて、終幕を迎えるのだった。
その後。名無しさんとブロリーは彼女の家で、二人だけの甘いひと時を過ごしていた。
リビングのソファーに寄り添い、ブロリーが名無しさんの肩に腕を回して、慈しむように彼女の髪の毛を梳いている。
ふとテーブルに飾られた薔薇に目をやるブロリー。
「名無しさんは薔薇の花言葉を知っているか?」
「薔薇の花言葉……有名なのは情熱だよね。そのくらいしか知らないけど、ブロリーは詳しいの?」
「多少はな。薔薇には葉や枝、棘にまで花言葉があるんだ」
「例えば、赤い薔薇はどんな花言葉があるの?」
「赤い薔薇の葉は無垢の美しさ、あなたの幸福を祈る。蕾は純潔、恋の溜め息、あなたに尽します……だそうだ」
「へえ、赤い薔薇ってやっぱり情熱的な花言葉が多いんだね」
「ああ。赤い薔薇には情熱に加えて愛情、熱烈な恋、真実の愛。それと、もう一つ花言葉があるんだが……知りたいか?」
「うん、教えて?」
素直に頷く名無しさんを見たブロリーは穏やかに微笑み、
「……あなたを愛します、だ」
名無しさんの耳元でそっと囁いた。その吐息が彼女の耳を擽り、一瞬にして頬が朱に染まる。
「この赤い薔薇に込められている花言葉の一つ一つが、名無しさんに対するオレの気持ちだ」
「っ……そんなキザな台詞、ブロリーじゃなかったら張っ倒してたかも……」
名無しさんは顔を赤くしたまま、恥ずかしそうに目を伏せた。
「名無しさん。来年からはお前の誕生日を、オレだけに祝わせてくれないか?」
ブロリーの問いかけに、名無しさんは嬉しそうに笑顔で頷いた。
ゆったりと薔薇の香りに包まれた空間で、二人は秘密の約束を交わすのだった。
END