★Memories
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Desire―願う―
【Happy Wedding】
彼にプロポーズされてから数ヶ月。私は人生の晴れ舞台、結婚式を迎えようとしていた。相手はもちろん、最愛の夫となるバーダック。
どれ程今日という日を待ち望んだことか。バーダックがプロポーズしてくれた時、嬉し涙が止まらなかった。それ程まで彼と夫婦になることが、私にとって大切だったから。
私は今純白のウェディングドレスを身に纏い、控室でその時が来るのを心待ちにしている。
不意にドアが開き、誰かが入って来た。
「準備終わったか?」
その聞き間違える筈もない耳慣れた声に、私はゆっくりと振り向いた。
そこにはシルバーグレーのタキシードに身を包んだ、私の旦那様となる人が立っている。
彼は私に歩み寄り、右手を私の頬に添えた。
「キレイだぜ。世界中のどんな花嫁より」
「バーダックもかっこいいよ」
彼の晴れ姿を目の前にして、私の胸はドキドキと高鳴るのだった。
そしていよいよ始まりの時を迎えた。チャペルの扉が開き、私の父が赤い絨毯の敷かれたバージンロードを、彼のいる祭壇までエスコートしてくれる。
思えば初めて両親に彼を紹介した時、母が泣いて喜んでくれて、父は流石に泣くまではしなかったけど、「幸せになりなさい」と後押ししてくれた。私は両親にも恵まれてると、心からそう思う。
そんなことを思いながら祭壇まで歩き、右手を差し出してくれる彼の手を取り、隣に立つ。
「バーダックさん。貴方は彼女と結婚し、妻としようとしています。貴方は夫としての分を果たし、常に妻を愛し、敬い、慰め、助け、変わることなく、健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、死が二人を分かつ時まで、命の灯の続く限り、貴方の妻に対して、永遠に愛することを誓いますか?」
司式者の問い掛けに、新郎の彼が「誓います」と約束する。続いて新婦の私も同じ問いに、「誓います」と永遠の愛を誓った。
指輪の交換は緊張で少し手が震えたけど、何とか彼の薬指に嵌めることが出来た。
彼が自分の指輪を一瞬見る。
何だか少し照れ臭そう。
出逢った時を思えば、想像も出来なかったけれど。いつの間にか、お互い隣にいるのが自然になった。これからもずっと一緒にいたいと思える、ただ1人の人。
「では誓いの口づけを」
司式者の言葉で、彼が私のベールを上げて、そっと唇に触れる。
式場から割れんばかりの拍手が聞こえた。
式は順調に事が運び、私は彼と腕を組んでバージンロードを退場する。
するとゲストから祝福の声が飛び交う。
「結婚おめでとう!」
友達から声を掛けられた私は、はにかんで応える。
「バーダック、嫁さん大事にしろよ」
「間違っても泣かすんじゃないよ!」
バーダックの同僚のトーマさんとセリパさんの声に、彼は不敵に笑って「当然だ」と答えた。隣で歩く私は少し気恥ずかしくなる。
それでもこれから始まる新しい人生の門出を迎え、頼もしい旦那様と歩んでいけると思うと、それだけで気持ちが華やいだ。
前に海辺の教会で見た花嫁さんも、こんな気持ちだったのかもしれないと過去に思いを馳せた。
所謂“ダケ婚”の私達はチャペルを出てゲストを見送った後、お互いの控室で着替えをする。
暫くして、彼が私の控室に顔を覗かせた。
「用意出来たか?」
「出来たよ」
「じゃ、帰るか」
「うん」
外に出て人目につかない場所で抱っこされ、彼は我が家へ直行する。
夫の顔をじっと見つめると、式を挙げたばかりなのに普段と何ら変わらない。
まあ、だらしない顔されてても男前が台なしになるから普通で良いんだけど。
「何だ、じっと見て。キスして欲しいのか?」
「違っ……」
慌てて首を振ると、彼はフッと笑みを零す。
「心配すんな。帰ったら幾らでもしてやるから」
「そっ、そんなんじゃないわよ!」
「素直になれよ。何せお前の身体はオレのキス1つで感じるように、何度も調教してんだからな」
「……バカ」
恥ずかしくて穴があったら入りたい気分。
「おい」
「な、何よ?」
「晴れて夫婦になったんだ。今夜から今まで以上に死ぬ程可愛がってやるから覚悟しとけよ」
私はかぁっと耳まで熱くなるのを感じた。
この“愛する旦那様”はオレ様で傲慢で強引なのに、自分でもどうしようもない程愛してるんだから、私こそ真性のおバカだ。
「……やっぱ無理だ。もう我慢出来ねえ」
「ええ!?」
言うが早いか、彼は更に上昇したかと思えば、そのまま奪うようにキスされて、思わずうっとりしてしまう。
直接腰に響くような熱烈なキスで、じわじわと身体が溶け出して今にも崩れそうになる。
唇が離れた時には殆ど力が入らなかった。
「オレの可愛い花嫁、この世の誰よりもお前を愛してるぜ」
もう一度軽くキスされた私は「私も」と照れながら答えるのだった。
【Happy Wedding】
彼にプロポーズされてから数ヶ月。私は人生の晴れ舞台、結婚式を迎えようとしていた。相手はもちろん、最愛の夫となるバーダック。
どれ程今日という日を待ち望んだことか。バーダックがプロポーズしてくれた時、嬉し涙が止まらなかった。それ程まで彼と夫婦になることが、私にとって大切だったから。
私は今純白のウェディングドレスを身に纏い、控室でその時が来るのを心待ちにしている。
不意にドアが開き、誰かが入って来た。
「準備終わったか?」
その聞き間違える筈もない耳慣れた声に、私はゆっくりと振り向いた。
そこにはシルバーグレーのタキシードに身を包んだ、私の旦那様となる人が立っている。
彼は私に歩み寄り、右手を私の頬に添えた。
「キレイだぜ。世界中のどんな花嫁より」
「バーダックもかっこいいよ」
彼の晴れ姿を目の前にして、私の胸はドキドキと高鳴るのだった。
そしていよいよ始まりの時を迎えた。チャペルの扉が開き、私の父が赤い絨毯の敷かれたバージンロードを、彼のいる祭壇までエスコートしてくれる。
思えば初めて両親に彼を紹介した時、母が泣いて喜んでくれて、父は流石に泣くまではしなかったけど、「幸せになりなさい」と後押ししてくれた。私は両親にも恵まれてると、心からそう思う。
そんなことを思いながら祭壇まで歩き、右手を差し出してくれる彼の手を取り、隣に立つ。
「バーダックさん。貴方は彼女と結婚し、妻としようとしています。貴方は夫としての分を果たし、常に妻を愛し、敬い、慰め、助け、変わることなく、健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、死が二人を分かつ時まで、命の灯の続く限り、貴方の妻に対して、永遠に愛することを誓いますか?」
司式者の問い掛けに、新郎の彼が「誓います」と約束する。続いて新婦の私も同じ問いに、「誓います」と永遠の愛を誓った。
指輪の交換は緊張で少し手が震えたけど、何とか彼の薬指に嵌めることが出来た。
彼が自分の指輪を一瞬見る。
何だか少し照れ臭そう。
出逢った時を思えば、想像も出来なかったけれど。いつの間にか、お互い隣にいるのが自然になった。これからもずっと一緒にいたいと思える、ただ1人の人。
「では誓いの口づけを」
司式者の言葉で、彼が私のベールを上げて、そっと唇に触れる。
式場から割れんばかりの拍手が聞こえた。
式は順調に事が運び、私は彼と腕を組んでバージンロードを退場する。
するとゲストから祝福の声が飛び交う。
「結婚おめでとう!」
友達から声を掛けられた私は、はにかんで応える。
「バーダック、嫁さん大事にしろよ」
「間違っても泣かすんじゃないよ!」
バーダックの同僚のトーマさんとセリパさんの声に、彼は不敵に笑って「当然だ」と答えた。隣で歩く私は少し気恥ずかしくなる。
それでもこれから始まる新しい人生の門出を迎え、頼もしい旦那様と歩んでいけると思うと、それだけで気持ちが華やいだ。
前に海辺の教会で見た花嫁さんも、こんな気持ちだったのかもしれないと過去に思いを馳せた。
所謂“ダケ婚”の私達はチャペルを出てゲストを見送った後、お互いの控室で着替えをする。
暫くして、彼が私の控室に顔を覗かせた。
「用意出来たか?」
「出来たよ」
「じゃ、帰るか」
「うん」
外に出て人目につかない場所で抱っこされ、彼は我が家へ直行する。
夫の顔をじっと見つめると、式を挙げたばかりなのに普段と何ら変わらない。
まあ、だらしない顔されてても男前が台なしになるから普通で良いんだけど。
「何だ、じっと見て。キスして欲しいのか?」
「違っ……」
慌てて首を振ると、彼はフッと笑みを零す。
「心配すんな。帰ったら幾らでもしてやるから」
「そっ、そんなんじゃないわよ!」
「素直になれよ。何せお前の身体はオレのキス1つで感じるように、何度も調教してんだからな」
「……バカ」
恥ずかしくて穴があったら入りたい気分。
「おい」
「な、何よ?」
「晴れて夫婦になったんだ。今夜から今まで以上に死ぬ程可愛がってやるから覚悟しとけよ」
私はかぁっと耳まで熱くなるのを感じた。
この“愛する旦那様”はオレ様で傲慢で強引なのに、自分でもどうしようもない程愛してるんだから、私こそ真性のおバカだ。
「……やっぱ無理だ。もう我慢出来ねえ」
「ええ!?」
言うが早いか、彼は更に上昇したかと思えば、そのまま奪うようにキスされて、思わずうっとりしてしまう。
直接腰に響くような熱烈なキスで、じわじわと身体が溶け出して今にも崩れそうになる。
唇が離れた時には殆ど力が入らなかった。
「オレの可愛い花嫁、この世の誰よりもお前を愛してるぜ」
もう一度軽くキスされた私は「私も」と照れながら答えるのだった。