★Memories
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Desire―願う―
【ドキワク温泉旅行】
いよいよ待ちに待った9月の大型連休、SWの始まりだ。
SWは有意義に過ごしたいと2人で話し合った結果、2泊3日の温泉旅行に出掛けることになっていた。
初めての2人旅。これから待ち受けている楽しいひと時を思うと、独りでに心がウキウキしてくる。
そんなこんなで私達を乗せた新幹線は数時間で目的地の駅に到着し、そこから徒歩15分で辿り着いた温泉街は、沢山の観光客で賑わっていた。
「さすが温泉の名所だけあって賑わってるね」
「ああ」
「ちょっとその辺を散策してみようよ」
「そうだな」
温泉街を気の向くまま散策していると、偶然にも雰囲気の良さげな隠れ家的なカフェを発見した。
「可愛いカフェだね」
「何だ、入りたいのか?」
「うん、入りたい!」
「じゃ、入るか」
ドアを開けて中に足を踏み入れると、内装は温泉街に似つかわしくなく、アンティーク調ですっごくお洒落。
店員さんに窓際の席に案内される。メニューを受け取り、ざっと目を通した。
「バーダック、地ビールがあるよ」
「そりゃ良いな。オレはそいつにするぜ」
「私は季節限定のフルーツタルトとジンジャーエールにしようかな」
店員さんを呼び、注文を済ませる。
暫くして、店員さんが注文した物を運んで来た。
私は早速タルトを口に頬張ると、フルーツの酸味とカスタードの甘味が絶妙にマッチしてすごく美味しい。
タルトをパクパク食べていると、
「随分と幸せそうな顔して食ってるな」
それを見ていたバーダックがおかしそうに笑った。
「だって美味しいもの。バーダックも食べてみる?」
「いや、オレの口にはこっちのが合ってるんでな。この辛口がまた最高だ」
バーダックは地ビールのグラスを傾け、ゴクゴクと喉を鳴らして美味しそうに飲んでいる。
暫くカフェで時間を費やした私達は、そろそろ宿に行こうということになり、会計を済ませてその場を後にした。
旅館に到着し、チェックインして女将さんから客室に案内された私達は、早速温泉に入ることにした。
「女将がこの部屋は露天風呂付きだって言ってたよな」
「うん」
「なら、もちろん一緒に入るべきだな」
「誰と誰が?」
「オレとお前が」
「え?」
そういえば、彼が地ビールを飲んでいたことを思い出す。
「バーダックってば酔ってるんでしょ!?」
「たかがビール一杯で酔うか! んなことより、わざわざここまで来たからには嫌だとは言わせねえ。もちろん覚悟は出来てるよな?」
そう言って、彼は不敵な笑みを浮かべている。
「それは……」
そうなる予感は頭のどこかでしていた。でもいざ現実を前にすると、緊張するのよね……。
「ゆ、湯着を着てなら良いよ」
「はあ?」
「これは絶対に譲らないからね!」
「……しょうがねえ。それで良いぜ」
「交渉成立ね」
内心ホッとした私は湯着の準備を始める。
だから見逃していた。バーダックがほくそ笑む姿を……。
「おい、早くしろよ!」
湯着をしっかり着込んだ私は、彼のいる露天風呂へと足を踏み入れた。
「良い湯だぜ。こっちに来いよ」
湯槽に浸かっているバーダックに手招きされ、かけ湯をした私は、彼から離れてお湯の中へ身を沈める。熱過ぎずぬる過ぎず、ほど良い湯加減だ。
「どうだ、気持ち良いだろ」
「うん……って、ちょっと!」
気づけば、バーダックがどんどん私に近づいて来ていた。
「何だ?」
「近いんですけど!」
彼と距離を取ろうとする度にそれは縮まり、とうとう端っこへと追い詰められてしまう。
「良い眺めだな」
湯着がお湯に濡れて、私の肌がしっかり透けて見えていた。
「や、やだ!」
慌てて胸を両腕で隠す。
これじゃ、湯着の意味がないじゃない!
「隠すな。折角色っぽい格好してんだからよ」
彼は私の両腕を掴んで左右に広げ、熱い視線を送って来る。
その目を見た瞬間、胸がどくんと高鳴った。
「安心しろ。お前は誰よりもキレイだ」
バーダックは私に言い聞かせるように甘く囁いた。彼が言うと、ホントにそんな気がしてくるから不思議だ。
彼は顔を傾けて、深く口づけてくる。
「んっ……」
キスのせいなのか、それともお湯に浸かっているからなのか、頭がぼーっとする。
彼は唇を離して言った。
「お前と温泉に来て良かった。お陰で一緒に露天風呂に入ることが出来たからな。褒美に今日は忘れられなくなる程、濃密な想い出にしてやる」
「……ダメだよ」
「ダメじゃなくて、もっと欲しい、だろ?」
バーダックの低音ボイスが、私の鼓膜を刺激する。
そしてもう一度深いキスをして、舌を絡め取られる。
抵抗すら忘れる程、思考がストップして彼にされるがまま。
こうして私達は身も心も溶けてしまいそうな程、甘美なひと時を過ごすのだった。
【ドキワク温泉旅行】
いよいよ待ちに待った9月の大型連休、SWの始まりだ。
SWは有意義に過ごしたいと2人で話し合った結果、2泊3日の温泉旅行に出掛けることになっていた。
初めての2人旅。これから待ち受けている楽しいひと時を思うと、独りでに心がウキウキしてくる。
そんなこんなで私達を乗せた新幹線は数時間で目的地の駅に到着し、そこから徒歩15分で辿り着いた温泉街は、沢山の観光客で賑わっていた。
「さすが温泉の名所だけあって賑わってるね」
「ああ」
「ちょっとその辺を散策してみようよ」
「そうだな」
温泉街を気の向くまま散策していると、偶然にも雰囲気の良さげな隠れ家的なカフェを発見した。
「可愛いカフェだね」
「何だ、入りたいのか?」
「うん、入りたい!」
「じゃ、入るか」
ドアを開けて中に足を踏み入れると、内装は温泉街に似つかわしくなく、アンティーク調ですっごくお洒落。
店員さんに窓際の席に案内される。メニューを受け取り、ざっと目を通した。
「バーダック、地ビールがあるよ」
「そりゃ良いな。オレはそいつにするぜ」
「私は季節限定のフルーツタルトとジンジャーエールにしようかな」
店員さんを呼び、注文を済ませる。
暫くして、店員さんが注文した物を運んで来た。
私は早速タルトを口に頬張ると、フルーツの酸味とカスタードの甘味が絶妙にマッチしてすごく美味しい。
タルトをパクパク食べていると、
「随分と幸せそうな顔して食ってるな」
それを見ていたバーダックがおかしそうに笑った。
「だって美味しいもの。バーダックも食べてみる?」
「いや、オレの口にはこっちのが合ってるんでな。この辛口がまた最高だ」
バーダックは地ビールのグラスを傾け、ゴクゴクと喉を鳴らして美味しそうに飲んでいる。
暫くカフェで時間を費やした私達は、そろそろ宿に行こうということになり、会計を済ませてその場を後にした。
旅館に到着し、チェックインして女将さんから客室に案内された私達は、早速温泉に入ることにした。
「女将がこの部屋は露天風呂付きだって言ってたよな」
「うん」
「なら、もちろん一緒に入るべきだな」
「誰と誰が?」
「オレとお前が」
「え?」
そういえば、彼が地ビールを飲んでいたことを思い出す。
「バーダックってば酔ってるんでしょ!?」
「たかがビール一杯で酔うか! んなことより、わざわざここまで来たからには嫌だとは言わせねえ。もちろん覚悟は出来てるよな?」
そう言って、彼は不敵な笑みを浮かべている。
「それは……」
そうなる予感は頭のどこかでしていた。でもいざ現実を前にすると、緊張するのよね……。
「ゆ、湯着を着てなら良いよ」
「はあ?」
「これは絶対に譲らないからね!」
「……しょうがねえ。それで良いぜ」
「交渉成立ね」
内心ホッとした私は湯着の準備を始める。
だから見逃していた。バーダックがほくそ笑む姿を……。
「おい、早くしろよ!」
湯着をしっかり着込んだ私は、彼のいる露天風呂へと足を踏み入れた。
「良い湯だぜ。こっちに来いよ」
湯槽に浸かっているバーダックに手招きされ、かけ湯をした私は、彼から離れてお湯の中へ身を沈める。熱過ぎずぬる過ぎず、ほど良い湯加減だ。
「どうだ、気持ち良いだろ」
「うん……って、ちょっと!」
気づけば、バーダックがどんどん私に近づいて来ていた。
「何だ?」
「近いんですけど!」
彼と距離を取ろうとする度にそれは縮まり、とうとう端っこへと追い詰められてしまう。
「良い眺めだな」
湯着がお湯に濡れて、私の肌がしっかり透けて見えていた。
「や、やだ!」
慌てて胸を両腕で隠す。
これじゃ、湯着の意味がないじゃない!
「隠すな。折角色っぽい格好してんだからよ」
彼は私の両腕を掴んで左右に広げ、熱い視線を送って来る。
その目を見た瞬間、胸がどくんと高鳴った。
「安心しろ。お前は誰よりもキレイだ」
バーダックは私に言い聞かせるように甘く囁いた。彼が言うと、ホントにそんな気がしてくるから不思議だ。
彼は顔を傾けて、深く口づけてくる。
「んっ……」
キスのせいなのか、それともお湯に浸かっているからなのか、頭がぼーっとする。
彼は唇を離して言った。
「お前と温泉に来て良かった。お陰で一緒に露天風呂に入ることが出来たからな。褒美に今日は忘れられなくなる程、濃密な想い出にしてやる」
「……ダメだよ」
「ダメじゃなくて、もっと欲しい、だろ?」
バーダックの低音ボイスが、私の鼓膜を刺激する。
そしてもう一度深いキスをして、舌を絡め取られる。
抵抗すら忘れる程、思考がストップして彼にされるがまま。
こうして私達は身も心も溶けてしまいそうな程、甘美なひと時を過ごすのだった。