★Memories
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Desire―願う―
【彼の手に癒されて…】
夜の11時にベッドに入ってから数時間、全く眠れる気がしなかった。そう、私は最近不眠に悩まされている。
別に毎日バーダックに抱かれている、というわけじゃない。彼も彼なりに私の身体のことを気遣ってくれているらしく、平日は殆ど求めてこないからだ。
とはいえ、こうも毎晩眠れないと日中眠気に襲われて仕方がない。仕事でもミスして、上司には集中力が散漫だと怒られてばかりいる始末。
隣で横になっているバーダックに気づかれないように、そっと溜め息をついた。
すると、私に背を向けて先に眠っていた筈のバーダックが、寝返りを打ってこっちを向く。
「何だ、眠れねえのか?」
「バーダック! もしかして起こしちゃった?」
「まあな。それより、毎晩なのか?」
「え?」
彼の言葉の意味が分からなくて、思わず聞き返す。
「だから、毎晩眠れねえのかって聞いてんだ」
「うん、そうなの。身体は疲れてるんだけどね。どうしても寝付けなくて……」
「原因は分からねえのか?」
「う~ん、仕事のストレスで眠れないのかも。今までも、何度かそういうことあったから」
「そうか。なら、お前が眠れるように協力してやるよ」
バーダックは何かを企むように、ニヤリと笑った。
「え……」
彼がこういう笑いをする時って、嫌な予感しかしないんだよね。協力するって言って、やらしいことされるかもしれない。バーダックなら充分有り得る。
「い、良いよ! バーダックには迷惑かけられないし、私に構わないで寝てよ!」
「バーカ。お前が考えてるようなことはしねえから安心しろ」
「ホントに?」
「うたぐり深いヤツだな。何なら、希望に応えて本当に襲ってやろうか?」
「なっ……」
彼の言葉に不覚にも頬が赤くなる。
「ハハハッ。まあ、襲ってやりたいのが本音だがな、このまま眠れなくて困るのはお前だろうが」
確かにこのまま不眠状態が続くと、減給どころか下手したらクビになるかもしれない。何としても、この危機的状況を打破しなきゃならないのだ。
「でも、協力って具体的にどうするの?」
「それはすぐに分かる。まず上体を起こしてベッドの縁に座れよ」
私は言われるまま、上体を起こしてベッドの縁に足を下ろす。
すると、バーダックがサイドテーブルのナイトランプを点けて、私のすぐ後ろで胡坐を組んで座る気配がした。
「何をするの?」
「まあ、聞けよ。要は緊張感を解してリラックスすれば眠れるって話だろ。だったら、安眠のツボを刺激してやれば、自然と眠くなるに違いねえ筈だ」
「それはそうかもしれないけど……バーダック、安眠のツボなんて知ってるの?」
「ああ、前にテレビでちょっとかじった。お前を眠らせる程度の知識はあると思うぜ」
「なるほどね」
「じゃあ、始めるぞ。まず安眠のツボは首の後ろにある。耳の後ろの下に向かって尖っている骨の出っ張りから、うなじとぶつかる辺りだ。ここを親指で5回から10回くらい刺激してやるといい」
そう言いながら、バーダックは首の後ろのツボを親指で押しながら揉んでくる。
「いっ、痛いよ~!」
「大分凝ってるな。痛みを感じるっつうことは、睡眠不足だって証拠だぜ」
「そ、そうなんだ……あ、痛たた!」
容赦なくグリグリとツボを刺激されて、何ていうか痛みしか感じない。
でも痛いってことは、効いてるってことなんだよね。
「眠るために、こんな痛い思いしなきゃならないなんて……」
「これくらい我慢しろ」
「うー……酷いなあ」
でも、何だかさっきより幾らか気持ちが落ち着いて来たと思う。
「ふあああ……」
その証拠に大きな欠伸が一つ出る。
「何か眠くなってきたみたい」
「そいつは良かったな。なら、明日に備えてそろそろ寝た方が良いぜ」
「うん……」
私が生返事をすると、バーダックはナイトランプを消してベッドの中に入り、片方の腕を私の方へ広げて言った。
「ほら、こっちに来いよ」
「うん」
私はのそのそとベッドの中に入って、バーダックの片腕に頭を乗せる。
「今日こそ、ゆっくり眠れると良いな」
「ありがと……おやすみ、バーダック」
「ああ、おやすみ。良い夢見ろよ」
バーダックの低音ボイスを聞きつつ、髪に柔らかな感触を朧げに感じながらも、私は数日振りに襲ってきた睡魔に身を委ねて意識を手放した。
翌日、バーダックのおかげで久々に熟睡出来た私は睡眠不足を解消し、会社ではこれまでの不調が嘘のようにバリバリ仕事をこなして、何とかクビは免れることが出来た。
ホント、バーダックには感謝しなきゃ。
そうだ、今日の晩ご飯はバーダックの好きなお肉料理にしよう。
密かに彼がご飯をパクパクと食べる姿を想像しながらも、終業時間を迎えるまで、もうひと頑張りしようと意欲的に仕事に励むのだった。
【彼の手に癒されて…】
夜の11時にベッドに入ってから数時間、全く眠れる気がしなかった。そう、私は最近不眠に悩まされている。
別に毎日バーダックに抱かれている、というわけじゃない。彼も彼なりに私の身体のことを気遣ってくれているらしく、平日は殆ど求めてこないからだ。
とはいえ、こうも毎晩眠れないと日中眠気に襲われて仕方がない。仕事でもミスして、上司には集中力が散漫だと怒られてばかりいる始末。
隣で横になっているバーダックに気づかれないように、そっと溜め息をついた。
すると、私に背を向けて先に眠っていた筈のバーダックが、寝返りを打ってこっちを向く。
「何だ、眠れねえのか?」
「バーダック! もしかして起こしちゃった?」
「まあな。それより、毎晩なのか?」
「え?」
彼の言葉の意味が分からなくて、思わず聞き返す。
「だから、毎晩眠れねえのかって聞いてんだ」
「うん、そうなの。身体は疲れてるんだけどね。どうしても寝付けなくて……」
「原因は分からねえのか?」
「う~ん、仕事のストレスで眠れないのかも。今までも、何度かそういうことあったから」
「そうか。なら、お前が眠れるように協力してやるよ」
バーダックは何かを企むように、ニヤリと笑った。
「え……」
彼がこういう笑いをする時って、嫌な予感しかしないんだよね。協力するって言って、やらしいことされるかもしれない。バーダックなら充分有り得る。
「い、良いよ! バーダックには迷惑かけられないし、私に構わないで寝てよ!」
「バーカ。お前が考えてるようなことはしねえから安心しろ」
「ホントに?」
「うたぐり深いヤツだな。何なら、希望に応えて本当に襲ってやろうか?」
「なっ……」
彼の言葉に不覚にも頬が赤くなる。
「ハハハッ。まあ、襲ってやりたいのが本音だがな、このまま眠れなくて困るのはお前だろうが」
確かにこのまま不眠状態が続くと、減給どころか下手したらクビになるかもしれない。何としても、この危機的状況を打破しなきゃならないのだ。
「でも、協力って具体的にどうするの?」
「それはすぐに分かる。まず上体を起こしてベッドの縁に座れよ」
私は言われるまま、上体を起こしてベッドの縁に足を下ろす。
すると、バーダックがサイドテーブルのナイトランプを点けて、私のすぐ後ろで胡坐を組んで座る気配がした。
「何をするの?」
「まあ、聞けよ。要は緊張感を解してリラックスすれば眠れるって話だろ。だったら、安眠のツボを刺激してやれば、自然と眠くなるに違いねえ筈だ」
「それはそうかもしれないけど……バーダック、安眠のツボなんて知ってるの?」
「ああ、前にテレビでちょっとかじった。お前を眠らせる程度の知識はあると思うぜ」
「なるほどね」
「じゃあ、始めるぞ。まず安眠のツボは首の後ろにある。耳の後ろの下に向かって尖っている骨の出っ張りから、うなじとぶつかる辺りだ。ここを親指で5回から10回くらい刺激してやるといい」
そう言いながら、バーダックは首の後ろのツボを親指で押しながら揉んでくる。
「いっ、痛いよ~!」
「大分凝ってるな。痛みを感じるっつうことは、睡眠不足だって証拠だぜ」
「そ、そうなんだ……あ、痛たた!」
容赦なくグリグリとツボを刺激されて、何ていうか痛みしか感じない。
でも痛いってことは、効いてるってことなんだよね。
「眠るために、こんな痛い思いしなきゃならないなんて……」
「これくらい我慢しろ」
「うー……酷いなあ」
でも、何だかさっきより幾らか気持ちが落ち着いて来たと思う。
「ふあああ……」
その証拠に大きな欠伸が一つ出る。
「何か眠くなってきたみたい」
「そいつは良かったな。なら、明日に備えてそろそろ寝た方が良いぜ」
「うん……」
私が生返事をすると、バーダックはナイトランプを消してベッドの中に入り、片方の腕を私の方へ広げて言った。
「ほら、こっちに来いよ」
「うん」
私はのそのそとベッドの中に入って、バーダックの片腕に頭を乗せる。
「今日こそ、ゆっくり眠れると良いな」
「ありがと……おやすみ、バーダック」
「ああ、おやすみ。良い夢見ろよ」
バーダックの低音ボイスを聞きつつ、髪に柔らかな感触を朧げに感じながらも、私は数日振りに襲ってきた睡魔に身を委ねて意識を手放した。
翌日、バーダックのおかげで久々に熟睡出来た私は睡眠不足を解消し、会社ではこれまでの不調が嘘のようにバリバリ仕事をこなして、何とかクビは免れることが出来た。
ホント、バーダックには感謝しなきゃ。
そうだ、今日の晩ご飯はバーダックの好きなお肉料理にしよう。
密かに彼がご飯をパクパクと食べる姿を想像しながらも、終業時間を迎えるまで、もうひと頑張りしようと意欲的に仕事に励むのだった。