★Memories
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Desire―願う―
【GWの過ごし方】
4月末、今日からGWで5月初めまで大型連休の始まりだ。休みの間はバーダックと思いっきり甘い時間を過ごしたい。と言っても、何か予定を立てているわけじゃなかった。
でも、折角のGWを何もせずにただぼーっと過ごすのは、もったいない。
そういうわけで、私はベッドに寝転んで煙草を吸っているバーダックの横に座り、デートに誘うことにした。
「ねえ、バーダック。久しぶりに二人でどっか出かけない?」
彼は上半身を起こし、煙草の火をベッドサイドにある灰皿に押し付けて、私に顔を向けた。
「どっかって、どこに行くんだよ」
「どこでも良いから、デートしようよ。絶対楽しいよ?」
私が身を乗り出してそう言うと。
「そうだな」
彼は腕組みをして考えるそぶりを見せた。
暫くして、ふと何かを思いついたように私の顔を見る。
「なら、映画でも観に行くか」
「良いね~。ちょうど観たい映画があるの。今話題作のラブロマンス系の映画だよ」
「はあ? そんなもん、オレが観ると思うか?」
バーダックは少し嫌そうに、眉間に皺を寄せて言った。
「まあ、そう言わないでよ。その映画の見所は何と言っても、ラブシーンらしいよ。会社の同僚がその話題で盛り上がってたんだ」
「そう言われてもな……」
それだけ言って、バーダックは黙り込んでしまった。
「ねえ、駄目かな?」
バーダックの顔を覗き込んでねだってみると、彼は一瞬ニヤリと笑ったような気がした。
気のせい、かな?
「しょうがねえな。そんなに言うなら付き合ってやるよ」
「じゃあ、決まりね。早速支度して出かけようか」
「そうだな」
バーダックとの久々のデートにウキウキしながら支度を始めた。お気に入りのワンピースに着替えて、簡単なメイクを済ませる。
支度を終えた私達は、いそいそと映画館に出かけた。
街に繰り出すと、GWということもあって、至る所で人でごった返していた。
はぐれないように手を繋いで、映画館に着くと、目当ての映画のチケットを2人分購入した私達は、係員にチケットを渡して指定されたシアターに足を運んだ。
話題作ということで混んでいたため、一番後ろの席しか空いていなかった。席に座り、隣のバーダックに話しかける。
「一番後ろになっちゃったね」
「ああ、だがその方が好都合だ」
「何で?」
「さあ、何でだろうな」
彼ははぐらかすだけで、好都合と言った意味を教えてはくれなかった。
バーダック、何考えてるのかな。何となく嫌な予感がする……。
暫くすると、シアター内の照明が落ち、辺りが暗くなる。やがてスクリーンに映し出された何本かの予告編が終わり、本編が始まった。
この映画は実業家と貧しい暮らしを強いられる女性が出逢い、次第に惹かれ合う姿を描いたシンデレラストーリーだ。二人は運命的な出逢いを果たし、様々なアクシデントに見舞われながらも、物語は佳境に入る。
ホテルのスイートルームに泊まった二人はその夜、生まれたままの姿になって、ベッドに絡み合う。ラブシーンとは言え、美男美女が演じると幻想的に見える。深いキスをする場面では淫靡な音が響き渡り、思わず魅入ってしまう。
すると膝の上に重ねていた私の手が、温かい物に包まれた。それがバーダックの手だと気づくのに、時間はかからなかった。彼の無骨な指が私の指と指の間をゆっくりと滑るように行き来して、背筋がゾクゾクと震えた。
ちょっと、バーダックってば、何考えてんのよ!
他のお客さんの手前「止めて!」とは言えず、我慢するしかなかった。
すると、今度は彼の手が太腿に触れた。
ワンピースの裾を捲り、肌の感触を確かめるように撫で回してくる。その擽ったい感覚に、思わず声が漏れてしまう。
すかさず彼が顔を近づけ、耳元で囁いた。
「……声出すなよ」
誰のせいだと思ってるわけ!?
小声でそう言い返そうとした私の唇は、柔らかい物で塞がれてしまった。それが、バーダックの唇だとすぐ分かった。
「んんっ……」
ちょうど今スクリーンに映し出されているような、吸い上げるような啄むような、優しいキス。唇そのものを愛撫されて、私の身体がびくんと震える。
バーダックは何度か深いキスを繰り返して、やっと顔を離した。
ここが映画館だということもつい忘れてしまうような、甘いキスをされた私は、悔しくて文句の1つでも言ってやろうと彼をジロッと睨みつける。
「……続きは帰ってからな」
彼は素知らぬ顔でそう囁いた。
何だかしてやられた感でいっぱいだ。
その後、映画を観ていても、彼にされたキスの余韻が残ってて、それどころじゃなかった。
折角観たい映画だったのにと悔しく思いながらも、彼が好きなんだから仕方ないかと、許してしまう自分がいる。
こうして、ハラハラドキドキな映画館デートは終わりを迎えるのだった。
【GWの過ごし方】
4月末、今日からGWで5月初めまで大型連休の始まりだ。休みの間はバーダックと思いっきり甘い時間を過ごしたい。と言っても、何か予定を立てているわけじゃなかった。
でも、折角のGWを何もせずにただぼーっと過ごすのは、もったいない。
そういうわけで、私はベッドに寝転んで煙草を吸っているバーダックの横に座り、デートに誘うことにした。
「ねえ、バーダック。久しぶりに二人でどっか出かけない?」
彼は上半身を起こし、煙草の火をベッドサイドにある灰皿に押し付けて、私に顔を向けた。
「どっかって、どこに行くんだよ」
「どこでも良いから、デートしようよ。絶対楽しいよ?」
私が身を乗り出してそう言うと。
「そうだな」
彼は腕組みをして考えるそぶりを見せた。
暫くして、ふと何かを思いついたように私の顔を見る。
「なら、映画でも観に行くか」
「良いね~。ちょうど観たい映画があるの。今話題作のラブロマンス系の映画だよ」
「はあ? そんなもん、オレが観ると思うか?」
バーダックは少し嫌そうに、眉間に皺を寄せて言った。
「まあ、そう言わないでよ。その映画の見所は何と言っても、ラブシーンらしいよ。会社の同僚がその話題で盛り上がってたんだ」
「そう言われてもな……」
それだけ言って、バーダックは黙り込んでしまった。
「ねえ、駄目かな?」
バーダックの顔を覗き込んでねだってみると、彼は一瞬ニヤリと笑ったような気がした。
気のせい、かな?
「しょうがねえな。そんなに言うなら付き合ってやるよ」
「じゃあ、決まりね。早速支度して出かけようか」
「そうだな」
バーダックとの久々のデートにウキウキしながら支度を始めた。お気に入りのワンピースに着替えて、簡単なメイクを済ませる。
支度を終えた私達は、いそいそと映画館に出かけた。
街に繰り出すと、GWということもあって、至る所で人でごった返していた。
はぐれないように手を繋いで、映画館に着くと、目当ての映画のチケットを2人分購入した私達は、係員にチケットを渡して指定されたシアターに足を運んだ。
話題作ということで混んでいたため、一番後ろの席しか空いていなかった。席に座り、隣のバーダックに話しかける。
「一番後ろになっちゃったね」
「ああ、だがその方が好都合だ」
「何で?」
「さあ、何でだろうな」
彼ははぐらかすだけで、好都合と言った意味を教えてはくれなかった。
バーダック、何考えてるのかな。何となく嫌な予感がする……。
暫くすると、シアター内の照明が落ち、辺りが暗くなる。やがてスクリーンに映し出された何本かの予告編が終わり、本編が始まった。
この映画は実業家と貧しい暮らしを強いられる女性が出逢い、次第に惹かれ合う姿を描いたシンデレラストーリーだ。二人は運命的な出逢いを果たし、様々なアクシデントに見舞われながらも、物語は佳境に入る。
ホテルのスイートルームに泊まった二人はその夜、生まれたままの姿になって、ベッドに絡み合う。ラブシーンとは言え、美男美女が演じると幻想的に見える。深いキスをする場面では淫靡な音が響き渡り、思わず魅入ってしまう。
すると膝の上に重ねていた私の手が、温かい物に包まれた。それがバーダックの手だと気づくのに、時間はかからなかった。彼の無骨な指が私の指と指の間をゆっくりと滑るように行き来して、背筋がゾクゾクと震えた。
ちょっと、バーダックってば、何考えてんのよ!
他のお客さんの手前「止めて!」とは言えず、我慢するしかなかった。
すると、今度は彼の手が太腿に触れた。
ワンピースの裾を捲り、肌の感触を確かめるように撫で回してくる。その擽ったい感覚に、思わず声が漏れてしまう。
すかさず彼が顔を近づけ、耳元で囁いた。
「……声出すなよ」
誰のせいだと思ってるわけ!?
小声でそう言い返そうとした私の唇は、柔らかい物で塞がれてしまった。それが、バーダックの唇だとすぐ分かった。
「んんっ……」
ちょうど今スクリーンに映し出されているような、吸い上げるような啄むような、優しいキス。唇そのものを愛撫されて、私の身体がびくんと震える。
バーダックは何度か深いキスを繰り返して、やっと顔を離した。
ここが映画館だということもつい忘れてしまうような、甘いキスをされた私は、悔しくて文句の1つでも言ってやろうと彼をジロッと睨みつける。
「……続きは帰ってからな」
彼は素知らぬ顔でそう囁いた。
何だかしてやられた感でいっぱいだ。
その後、映画を観ていても、彼にされたキスの余韻が残ってて、それどころじゃなかった。
折角観たい映画だったのにと悔しく思いながらも、彼が好きなんだから仕方ないかと、許してしまう自分がいる。
こうして、ハラハラドキドキな映画館デートは終わりを迎えるのだった。