★Memories
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Desire―願う―
【Trick or Treat】
窓の外は冷たい風が吹き荒ぶようになった10月31日。
今日は年に一度の秋のお祭りで、街はハロウィン一色に染まっている。
私もそれに肖り、この日の為に所謂コスプレ衣装を用意したのだ。
もちろん、バーダックには内緒で。彼がハロウィンを知っているとは限らないけど(寧ろ知らない気がする)知ってたら厄介だけど……。
日頃、バーダックにいいように扱われてる身としては、報復する最大のチャンスというわけだ。
報復なんて聞こえは悪いけど、言ってみれば悪戯の延長だ。私はバーダックの慌てた顔が見られれば、それで満足なんだから。
早速私はバーダックが出かけている間、急いで衣装に着替え始めた。
私が用意した衣装は、白雪姫風フレアワンピースのミニスカートタイプだ。ワッフル袖と大きな襟がポイントで上部はベルベット風にあしらい、リボン付きのミニスカートの中には可愛らしいレース付きのチュチュがボリュームたっぷり。バックスタイルのセンターラインはリボン編みで、可愛らしくフェミニンな仕上がりになっている。
これに合わせて、メイクを施せば準備万端。
後は部屋の電気を消して、バーダックが帰って来るのを待つだけだ。
ジッと耳を澄ませていると、共用廊下を歩いて来る足音がしたかと思うと、ガチャガチャと玄関のドアノブを回す音が聞こえる。
「今帰ったぞ。何だ、いねえのかよ?」
そう言いながら、バーダックは真っ暗な部屋のドアを開けて電気を点けた。
「バーダック、トリックオアトリート!」
その瞬間、私はバーダックに思いっきり抱き着く。
「うおっ!? お前、いたのか!」
いきなり抱き着いた私の身体を受け止めたバーダックに、改めて上から下までまじまじと見つめられた。
今更だけどあんまりジロジロ見られるのは、恥ずかしいかも……。
「つーか、何だよ、その格好は……今から仮装大会でもあんのか?」
「今日はハロウィンっていうお祭りなの。やっぱり知らなかったんだね」
「ハロウィンだ? んな俗なもん知るわけねえだろ」
眉間にシワを寄せてかったるそうに答える。
ふっふっふ、知らない方が好都合なのよね。今に見てなさいよ、バーダック。
「どんなイベントかなんて、バーダックは知らなくてもいいの。さっきも言ったけど、トリックオアトリート! お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ!」
「は? 菓子なんて持ってねえよ。それに悪戯って、お前はガキか」
バーダックに対して悪戯目的な私は、最初からお菓子を貰うつもりは毛頭ない。
「ふふ、何とでも言ってよ。お菓子がないなら悪戯に決定ね!」
私はニヤリと笑うと、バーダックをその場に押し倒して、彼の脇腹を容赦なく擽り始めた。それはもう、コチョコチョと無遠慮なまでに。
「クッ、ハハハッ……おまっ、何しやがる!? 擽ってえじゃねえか!」
私の擽り攻撃にバーダックは笑い声を上げたかと思うと、それはそれは不機嫌そうにギロッと睨みつけられた。
「だって悪戯する決まりだし! お菓子をくれないバーダックが悪いんだからね!」
そう言いつつ、脇の下まで手を伸ばしてコチョコチョと擽り続ける。
「クッ……いい加減にしろ!」
彼の怒号にビクッと身体を震わせ、私は硬直する。
「お前がそういうつもりなら、オレも仕返ししなくちゃなあ」
バーダックは不敵な笑みを浮かべ、私の両手首を掴むと、一瞬にして上下が逆転し、彼の下に組み敷かれてしまった。
「確か言ってたよな、お前……トリックオアトリート。菓子をくれなきゃ悪戯するぜ?」
「ぐっ……バーダック、ずるい!」
「ハッ、ずるいのはどっちだ? 何も知らねえオレに悪戯を仕掛けようとする方がよっぽどずるいんじゃねえか?」
「そ、それは……」
ぐうの音も出ない。この時点で私の負けは確定していた。
「今日は色っぽい格好で誘ってくれたお前に応えてやらなきゃ男が廃るよなあ?」
「こ、これは別に……誘ってないから」
「悪戯した上に嘘までつくとはな。こりゃあ仕置きが必要だ。今夜は寝かせねえから覚悟しろよ、お姫様」
耳元で決して甘いとは程遠い言葉を囁いたバーダックは、それとは裏腹に甘くて深いまるでお菓子のような濃厚なキスをしてくるのだった。
この日、一晩中バーダックから離して貰えなかったのは言うまでもない。
【Trick or Treat】
窓の外は冷たい風が吹き荒ぶようになった10月31日。
今日は年に一度の秋のお祭りで、街はハロウィン一色に染まっている。
私もそれに肖り、この日の為に所謂コスプレ衣装を用意したのだ。
もちろん、バーダックには内緒で。彼がハロウィンを知っているとは限らないけど(寧ろ知らない気がする)知ってたら厄介だけど……。
日頃、バーダックにいいように扱われてる身としては、報復する最大のチャンスというわけだ。
報復なんて聞こえは悪いけど、言ってみれば悪戯の延長だ。私はバーダックの慌てた顔が見られれば、それで満足なんだから。
早速私はバーダックが出かけている間、急いで衣装に着替え始めた。
私が用意した衣装は、白雪姫風フレアワンピースのミニスカートタイプだ。ワッフル袖と大きな襟がポイントで上部はベルベット風にあしらい、リボン付きのミニスカートの中には可愛らしいレース付きのチュチュがボリュームたっぷり。バックスタイルのセンターラインはリボン編みで、可愛らしくフェミニンな仕上がりになっている。
これに合わせて、メイクを施せば準備万端。
後は部屋の電気を消して、バーダックが帰って来るのを待つだけだ。
ジッと耳を澄ませていると、共用廊下を歩いて来る足音がしたかと思うと、ガチャガチャと玄関のドアノブを回す音が聞こえる。
「今帰ったぞ。何だ、いねえのかよ?」
そう言いながら、バーダックは真っ暗な部屋のドアを開けて電気を点けた。
「バーダック、トリックオアトリート!」
その瞬間、私はバーダックに思いっきり抱き着く。
「うおっ!? お前、いたのか!」
いきなり抱き着いた私の身体を受け止めたバーダックに、改めて上から下までまじまじと見つめられた。
今更だけどあんまりジロジロ見られるのは、恥ずかしいかも……。
「つーか、何だよ、その格好は……今から仮装大会でもあんのか?」
「今日はハロウィンっていうお祭りなの。やっぱり知らなかったんだね」
「ハロウィンだ? んな俗なもん知るわけねえだろ」
眉間にシワを寄せてかったるそうに答える。
ふっふっふ、知らない方が好都合なのよね。今に見てなさいよ、バーダック。
「どんなイベントかなんて、バーダックは知らなくてもいいの。さっきも言ったけど、トリックオアトリート! お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ!」
「は? 菓子なんて持ってねえよ。それに悪戯って、お前はガキか」
バーダックに対して悪戯目的な私は、最初からお菓子を貰うつもりは毛頭ない。
「ふふ、何とでも言ってよ。お菓子がないなら悪戯に決定ね!」
私はニヤリと笑うと、バーダックをその場に押し倒して、彼の脇腹を容赦なく擽り始めた。それはもう、コチョコチョと無遠慮なまでに。
「クッ、ハハハッ……おまっ、何しやがる!? 擽ってえじゃねえか!」
私の擽り攻撃にバーダックは笑い声を上げたかと思うと、それはそれは不機嫌そうにギロッと睨みつけられた。
「だって悪戯する決まりだし! お菓子をくれないバーダックが悪いんだからね!」
そう言いつつ、脇の下まで手を伸ばしてコチョコチョと擽り続ける。
「クッ……いい加減にしろ!」
彼の怒号にビクッと身体を震わせ、私は硬直する。
「お前がそういうつもりなら、オレも仕返ししなくちゃなあ」
バーダックは不敵な笑みを浮かべ、私の両手首を掴むと、一瞬にして上下が逆転し、彼の下に組み敷かれてしまった。
「確か言ってたよな、お前……トリックオアトリート。菓子をくれなきゃ悪戯するぜ?」
「ぐっ……バーダック、ずるい!」
「ハッ、ずるいのはどっちだ? 何も知らねえオレに悪戯を仕掛けようとする方がよっぽどずるいんじゃねえか?」
「そ、それは……」
ぐうの音も出ない。この時点で私の負けは確定していた。
「今日は色っぽい格好で誘ってくれたお前に応えてやらなきゃ男が廃るよなあ?」
「こ、これは別に……誘ってないから」
「悪戯した上に嘘までつくとはな。こりゃあ仕置きが必要だ。今夜は寝かせねえから覚悟しろよ、お姫様」
耳元で決して甘いとは程遠い言葉を囁いたバーダックは、それとは裏腹に甘くて深いまるでお菓子のような濃厚なキスをしてくるのだった。
この日、一晩中バーダックから離して貰えなかったのは言うまでもない。