★Memories
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Desire―願う―
【桜の木の下で…】
満開の桜が咲く頃、休みを利用してバーダックと近所の広い公園にお花見に来ていた。
レジャーシートを芝生の上に敷いて、その上に座る。それから、朝5時起きして作ったお弁当を広げた。バーダックは大食漢だから、普通のお弁当箱じゃ足りないと思い、張り切って作ったおにぎりやおかずを重箱に詰め込んで来た。
「ここいらじゃ花見をしながら弁当食うのが習慣なのか?」
「だって、綺麗な桜の下で食べるお弁当は格別に美味しいもん」
「そりゃそうかもしれねえが、人間の考えることははっきり言って、理解出来ねえな」
「人間のって、バーダックも人間になったんだから、花を愛でる心くらい持ち合わせてるでしょ?」
「ま、魔人だった時間が途方もなく長いからな。オレはどっちかってーと、名無しさんが作った弁当の方が楽しみだな」
そう言いつつ、バーダックは鶏の唐揚げを摘み上げて、パクッと食いついた。
彼は花より団子か。まあ、その方がバーダックらしいけど。
「どう? 美味しい?」
お菓子作りは苦手だけど、それ以外の料理は得意分野だ。
バーダックがまずいなんて言うわけ……。
「まあまあだな」
「ちょ、そこは美味しいって言ってくれてもいいじゃないの?」
……っていうか、前にもこんな展開があったような、なかったような。
「「まずくはねえな」」
「やっぱり言うと思った」
「はあ? 何人の真似してんだよ」
「これでも精一杯頑張って作ったんだから、褒めてくれたっていいでしょ」
「あー分かった分かった。この重箱に入ってるもん全部食らい尽くしてやるよ」
そう言って、バーダックは重箱からおにぎりを掴み、ガツガツと豪快に食べ始める。
「そんなに一気に食べたら噎せるよ?」
「っ……だっ、大丈夫、だ……ごほっ!」
「ほら、大丈夫じゃないじゃないの」
ごほごほと噎せっているバーダックの背中を優しく撫でてあげる。
すると、彼はもう大丈夫だと言わんばかりに片手を上げて合図する。
「ふぅ……もう平気だ。その……かったな」
呟いたバーダックの声は、私の耳まで届かなかった。
「え?」
「だから、悪かったって言ってんだよ! ……ったく、ババアじゃねえんだから一回で聞き取れよな」
「バッ、ババアって何よ! ちょっと言い過ぎじゃ……んんっ!」
言い返そうとする私の口が何か柔らかい物で塞がれる。
それは温かい、バーダックの唇だった。
近くには他の花見客もいるっていうのに、彼の唇は有無を言わさず私の唇を擦り上げ、更には舌を挿入させてくる。
「んぅっ!?」
思わずバーダックの胸をどんどんと叩いた。
でも、彼はそれをものともせず私の背中を抱き竦めて、深く唇を合わせてくる。
濃厚なキスを受けていると、私はいつの間にか抵抗することを忘れ、一心に彼の唇を受け入れていた。
暫く続いていたキスは銀糸を引いてバーダックの唇が離れ、終わりを告げる。
「ハァハァ……いきなり何でキスなんかするの?」
「お前が大声で叫ぶからだろうが。他の花見客の迷惑になるだろ」
「他の花見客って……あっ!」
慌てて周りを見渡してみると、バーダックの言う何人かの花見客が暫くこっちを見ていた。けれど、やがて指笛で囃し立てる声がそこかしこから聞こえてくる。
急に恥ずかしさが込み上げてきた私は、俯いて出来るだけ顔を見られないようにするしか方法が思いつかなかった。
【桜の木の下で…】
満開の桜が咲く頃、休みを利用してバーダックと近所の広い公園にお花見に来ていた。
レジャーシートを芝生の上に敷いて、その上に座る。それから、朝5時起きして作ったお弁当を広げた。バーダックは大食漢だから、普通のお弁当箱じゃ足りないと思い、張り切って作ったおにぎりやおかずを重箱に詰め込んで来た。
「ここいらじゃ花見をしながら弁当食うのが習慣なのか?」
「だって、綺麗な桜の下で食べるお弁当は格別に美味しいもん」
「そりゃそうかもしれねえが、人間の考えることははっきり言って、理解出来ねえな」
「人間のって、バーダックも人間になったんだから、花を愛でる心くらい持ち合わせてるでしょ?」
「ま、魔人だった時間が途方もなく長いからな。オレはどっちかってーと、名無しさんが作った弁当の方が楽しみだな」
そう言いつつ、バーダックは鶏の唐揚げを摘み上げて、パクッと食いついた。
彼は花より団子か。まあ、その方がバーダックらしいけど。
「どう? 美味しい?」
お菓子作りは苦手だけど、それ以外の料理は得意分野だ。
バーダックがまずいなんて言うわけ……。
「まあまあだな」
「ちょ、そこは美味しいって言ってくれてもいいじゃないの?」
……っていうか、前にもこんな展開があったような、なかったような。
「「まずくはねえな」」
「やっぱり言うと思った」
「はあ? 何人の真似してんだよ」
「これでも精一杯頑張って作ったんだから、褒めてくれたっていいでしょ」
「あー分かった分かった。この重箱に入ってるもん全部食らい尽くしてやるよ」
そう言って、バーダックは重箱からおにぎりを掴み、ガツガツと豪快に食べ始める。
「そんなに一気に食べたら噎せるよ?」
「っ……だっ、大丈夫、だ……ごほっ!」
「ほら、大丈夫じゃないじゃないの」
ごほごほと噎せっているバーダックの背中を優しく撫でてあげる。
すると、彼はもう大丈夫だと言わんばかりに片手を上げて合図する。
「ふぅ……もう平気だ。その……かったな」
呟いたバーダックの声は、私の耳まで届かなかった。
「え?」
「だから、悪かったって言ってんだよ! ……ったく、ババアじゃねえんだから一回で聞き取れよな」
「バッ、ババアって何よ! ちょっと言い過ぎじゃ……んんっ!」
言い返そうとする私の口が何か柔らかい物で塞がれる。
それは温かい、バーダックの唇だった。
近くには他の花見客もいるっていうのに、彼の唇は有無を言わさず私の唇を擦り上げ、更には舌を挿入させてくる。
「んぅっ!?」
思わずバーダックの胸をどんどんと叩いた。
でも、彼はそれをものともせず私の背中を抱き竦めて、深く唇を合わせてくる。
濃厚なキスを受けていると、私はいつの間にか抵抗することを忘れ、一心に彼の唇を受け入れていた。
暫く続いていたキスは銀糸を引いてバーダックの唇が離れ、終わりを告げる。
「ハァハァ……いきなり何でキスなんかするの?」
「お前が大声で叫ぶからだろうが。他の花見客の迷惑になるだろ」
「他の花見客って……あっ!」
慌てて周りを見渡してみると、バーダックの言う何人かの花見客が暫くこっちを見ていた。けれど、やがて指笛で囃し立てる声がそこかしこから聞こえてくる。
急に恥ずかしさが込み上げてきた私は、俯いて出来るだけ顔を見られないようにするしか方法が思いつかなかった。