【第一章】大戦、そして終戦へー。
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一歩その頃ー
崩壊した建物の残骸が、あちこちに散乱していた。
地面には幾筋もの亀裂が走り、舞い上がった砂埃が視界を濁らせている。
その中で、ジェラルド・ヴァルキリーは悠然と立っていた。
目の前には、地面に叩きつけられ地に伏している更木剣八。
「まだ息があるかッ」
ジェラルドが見下ろしながら、その巨体で剣を振り回す。
なんとか避け、距離を取る日番谷だが、その息は確実に上がっており、額には冷や汗をかいていた。
「はっ....、...く...朽木....」
ぱりん、ぱりんっと静かに音を立てて散りゆく氷の華。
少し離れた場所に立っていた朽木白哉は、それを見逃さなかった。
「ー卍解を解け、日番谷隊長」
淡々とした声だった。
「....兄は限界だ」
冬獅郎は地面に片膝をついたまま、ゆらゆらと身体を起こす。
「はっ...はぁっ...、いや...まだだ...」
「.......日番谷隊長」
ーぱりんっ
気付けば冬獅郎の身体を覆っていた氷の華は、今ので最後となっていた。
残された花弁の破片が、風に流されるようにゆっくりと舞っている。
「...氷の華が散り尽くしたら終わりだなんて、言った覚えは無ぇぞ...」
冬獅郎が小さく息を吐きながら、ポツポツと呟く。
「氷の華が散り尽くして、暫く...」
冬獅郎の霊圧に、先ほどまでとは違う何か変化が起きている。
それは単なる回復でも、霊圧の増大でもなかった。
まるで、これまで不完全だった何かが、ようやく形を成そうとしているような――。
ーぱりんっ
最後の氷の華が、静かに音を立てて砕け散る。
その瞬間。
周囲の空気が変わった。
白哉は、冬獅郎の方を見ながら目を見開く。
「大紅蓮氷輪丸は完成する」
氷が地面を這い、周囲の瓦礫を白く染め上げる。
空気中の水分さえ凍りつくような冷気。
「氷輪丸を十二分に使いこなすには、俺の力はまだ未熟だ」
氷が砕ける音と共に、冬獅郎の身体を覆っていた氷が、細かな結晶となって剥がれ落ちていく。
彼の身体に起きた変化は、誰の目にも明らかだった。
その姿は、これまでのものとは異なっていた。
「だからなのか知らねぇが、大紅蓮氷輪丸が完成すると俺はー」
幼さの残る面差しが変わり、背丈も伸びている。
白銀色の髪はそのままに、鋭さを増した翡翠色の瞳。
その姿から放たれる霊圧は、先ほどまでとはまるで別物だった。
「少し老ける」
ジェラルドが動きを止める。
「この姿は、あんまり好きじゃねぇんだけどな」
「何だ貴様」
冬獅郎は自分の手を見下ろし、指を軽く握る。
氷輪丸の力が、ようやく身体と完全に噛み合った。
その感覚を確かめるように、静かに息を吐く。
「日番谷冬獅郎」
名乗る声には、迷いがなかった。
ジェラルドはその姿を観察する。
「...卍解か?いや、貴様は既に卍解を使っていた筈......」
巨大な身体がわずかに前傾する。
「なぜ今更変化した......?まぁ、どうでもいいか!」
ジェラルドが大きく口を開き、高笑いするかの如く言う。
「先刻までの貴様より、今の貴様の方が我の相手に相応しい!!」
ズンッと地に剣を突き立てられ、地面が震える。
巨大な腕が持ち上がり、再び戦場を覆い尽くそうとする。
しかし、冬獅郎は動じなかった。
氷輪丸を握る手に力を込める。
その瞳には、先ほどまでの苦戦を感じさせないほどの落ち着きがあった。
「そうかよ」
そしてジェラルドは、目の前の小さな死神が、先ほどまでとはまったく異なる存在になったことを理解し始めていた。
崩壊した建物の残骸が、あちこちに散乱していた。
地面には幾筋もの亀裂が走り、舞い上がった砂埃が視界を濁らせている。
その中で、ジェラルド・ヴァルキリーは悠然と立っていた。
目の前には、地面に叩きつけられ地に伏している更木剣八。
「まだ息があるかッ」
ジェラルドが見下ろしながら、その巨体で剣を振り回す。
なんとか避け、距離を取る日番谷だが、その息は確実に上がっており、額には冷や汗をかいていた。
「はっ....、...く...朽木....」
ぱりん、ぱりんっと静かに音を立てて散りゆく氷の華。
少し離れた場所に立っていた朽木白哉は、それを見逃さなかった。
「ー卍解を解け、日番谷隊長」
淡々とした声だった。
「....兄は限界だ」
冬獅郎は地面に片膝をついたまま、ゆらゆらと身体を起こす。
「はっ...はぁっ...、いや...まだだ...」
「.......日番谷隊長」
ーぱりんっ
気付けば冬獅郎の身体を覆っていた氷の華は、今ので最後となっていた。
残された花弁の破片が、風に流されるようにゆっくりと舞っている。
「...氷の華が散り尽くしたら終わりだなんて、言った覚えは無ぇぞ...」
冬獅郎が小さく息を吐きながら、ポツポツと呟く。
「氷の華が散り尽くして、暫く...」
冬獅郎の霊圧に、先ほどまでとは違う何か変化が起きている。
それは単なる回復でも、霊圧の増大でもなかった。
まるで、これまで不完全だった何かが、ようやく形を成そうとしているような――。
ーぱりんっ
最後の氷の華が、静かに音を立てて砕け散る。
その瞬間。
周囲の空気が変わった。
白哉は、冬獅郎の方を見ながら目を見開く。
「大紅蓮氷輪丸は完成する」
氷が地面を這い、周囲の瓦礫を白く染め上げる。
空気中の水分さえ凍りつくような冷気。
「氷輪丸を十二分に使いこなすには、俺の力はまだ未熟だ」
氷が砕ける音と共に、冬獅郎の身体を覆っていた氷が、細かな結晶となって剥がれ落ちていく。
彼の身体に起きた変化は、誰の目にも明らかだった。
その姿は、これまでのものとは異なっていた。
「だからなのか知らねぇが、大紅蓮氷輪丸が完成すると俺はー」
幼さの残る面差しが変わり、背丈も伸びている。
白銀色の髪はそのままに、鋭さを増した翡翠色の瞳。
その姿から放たれる霊圧は、先ほどまでとはまるで別物だった。
「少し老ける」
ジェラルドが動きを止める。
「この姿は、あんまり好きじゃねぇんだけどな」
「何だ貴様」
冬獅郎は自分の手を見下ろし、指を軽く握る。
氷輪丸の力が、ようやく身体と完全に噛み合った。
その感覚を確かめるように、静かに息を吐く。
「日番谷冬獅郎」
名乗る声には、迷いがなかった。
ジェラルドはその姿を観察する。
「...卍解か?いや、貴様は既に卍解を使っていた筈......」
巨大な身体がわずかに前傾する。
「なぜ今更変化した......?まぁ、どうでもいいか!」
ジェラルドが大きく口を開き、高笑いするかの如く言う。
「先刻までの貴様より、今の貴様の方が我の相手に相応しい!!」
ズンッと地に剣を突き立てられ、地面が震える。
巨大な腕が持ち上がり、再び戦場を覆い尽くそうとする。
しかし、冬獅郎は動じなかった。
氷輪丸を握る手に力を込める。
その瞳には、先ほどまでの苦戦を感じさせないほどの落ち着きがあった。
「そうかよ」
そしてジェラルドは、目の前の小さな死神が、先ほどまでとはまったく異なる存在になったことを理解し始めていた。