【第二章】戻る日常、変わる日常ー。
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凛香が自室へ荷物を置き、少し休んだ頃に乱菊が部屋へ顔を出した。
「凛香、具合はどう〜?」
『大丈夫です、やっぱり自分の部屋は落ち着きますね』
「そうよねぇ。四番隊の病室も綺麗だけど、ずっといると飽きちゃうもの」
『あはは、本当に』
乱菊は凛香の向かいに腰を下ろす。
「そういえば、凛香がいない間のことだけど」
『はい?』
「隊長、結構大変だったのよぉ」
『……日番谷隊長が?』
荷物を整理する手を止め、乱菊の方を振り返る。
「ええ。戦後の復興に加えて、十番隊の隊務もあったでしょう? それに、他の隊との調整も」
『そうですよね……』
自分が不甲斐なく怪我を負って3週間も寝込んでたばかりに、どうやらだいぶ負担をかけてしまった。
隊長や副隊長を補佐するべき立場でありながら情けないと思い、話を聞くにつれてどんどんシュンとなる凛香。
無意識にまた拳を強く握りしめる。
「それでも、時間ができると四番隊に行ってたわ」
力が入っていた凛香の手が、ピタリと止まった。
『へ?……そ、そう、なんですか?」』
「そうよぉ?最初は一日に何度も様子を聞きに行こうとするから、こっちが止めたくらい」
『えっ』
「隊長ったら、仕事を片付けたから行くって言って聞かなくてねぇ」
乱菊はニヤニヤしながら、横目で凛香をみる。
『それは...、隊長らしいですね』
凛香は少しだけ視線を落とした。
自分が眠っている間、冬獅郎は何度も様子を見に来ていたらしい。
『……心配、かけちゃったな』
「そうね」
乱菊はふと凛香の髪に手を伸ばし、指先で軽く整えた。
「でも、それだけ大事な仲間だってことよ」
『……はい』
「だから、これからはあんまり無茶しないこと」
『分かってます』
「本当に?」
『もう、乱菊さんまで』
二人で笑い合う。
しばらくして、乱菊がふと思い出したように口を開いた。
「あ!そういえば、もう一つあったわ!」
ポンッと手を叩いて、思い出したと言う乱菊。
『また日番谷隊長ですか?』
「最近、ちょっと様子が違うと思わない?」
『……え?』
凛香は、うーんと少し考え込む。
『そうですね、なんとなく雰囲気が変わったような……?』
「あら、やっぱり?」
『でも、何が違うのか、具体的には分からないんですよね』
「あたしもそうなのよねぇ」
乱菊はわざとらしく顎に手を当てる。
「なんだか、前より少し落ち着いた?というか…大人びたと言うか…。いやまあ、あの戦いを経て皆んな色々あったのはそうなんだけどね」
『そうですねぇ』
凛香は深く考えず、頷いた。
『でも、日番谷隊長は日番谷隊長ですし』
「ふふっ、そうね」
『……?』
乱菊は意味ありげに笑った。
その意味に、凛香が気づく事はない。