【第二章】戻る日常、変わる日常ー。
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瀞霊廷に、穏やかな風が吹いていた。
戦いの爪痕はまだ至るところに残っているものの、少しずつ復興が進み、街には以前のような活気が戻り始めている。
そんな中、十番隊舎へ続く道を二人の死神が歩いていた。
一人は白銀色の髪を持つ隊長、日番谷冬獅郎。
そして、もう一人は腰まで伸びた毛先の赤い長い髪を揺らしながら、その隣を歩く凛香だった。
『んーっ!』
凛香は空に向かって大きく伸びをしながら、気持ちよさそうに目を細めた。
四番隊で過ごした日々は決して悪くなかったが、長い間病室にいたせいか、こうして自分の足で歩けることが嬉しくて仕方がない。
「あんまりはしゃぐなよ、まだ本調子じゃねえんだからな」
『分かってますって』
「本当か?」
『本当です』
「……ならいい」
冬獅郎は前を向いたまま歩き続ける。
その様子を横目で見ながら、凛香は小さく笑った。
『日番谷隊長』
「何だ」
『お忙しいのに、迎えに来てくださってありがとうございました』
「.....他の仕事のついでだ、気にするな」
そんなやり取りを交わしているうちに、見慣れた隊舎が目の前に現れた。
三週間ぶりの十番隊。
見慣れた門構えも、庭の木々も、何もかもが懐かしい。
所々に大戦の傷跡、そして修復箇所が見られるが大きく変わったところはなかった。
『……ただいま』
凛香は門の前で立ち止まり、小さく呟いた。
その声は、風に溶けて消えた。
「おい、どうした」
『いえ!なんでもありません!』
凛香はもう一度隊舎を見上げ、それから笑顔で歩き出した。