【第一章】大戦、そして終戦へー。
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更に数日後。
凛香の回復は順調に進み、短い時間ならば自力で歩けるようになっていた。
四番隊の隊士からも、退院の許可が下りる見込みだと告げられている。
『やっと帰れそうですね!』
「ええ。ですが、退院後もしばらくは安静にしてくださいね」
『ゔっ、はぁい...』
「激しい運動や隊務への復帰も、まだ先になりますから」
『分かりました』
そう不服そうに答えながらも、凛香の表情はどこか明るかった。
ようやく十番隊へ帰れる。
それだけで、気持ちが軽くなる。
その日の午後。
病室の襖が静かに開いた。
「月影、具合はどうだ」
『あ、日番谷隊長』
仕事の合間なのか、冬獅郎がお見舞いに来た。
「今日は顔色がいいな」
『そうですかね?』
冬獅郎はベッドの傍らへ歩み寄ると、近くにあった椅子に腰掛けた。
「退院の話は聞いたか」
『はい!もう少ししたら許可が出るそうです!』
「らしいな」
どこか落ち着かない様子の凛香を見て、冬獅郎は少し口元が緩む。
『隊長、迎えに来てくれます?』
「……あ?」
思いがけない言葉に、冬獅郎は目を見開く。
『退院の日です』
「.......行けたらな」
『ふふ、ありがとうございます』
凛香は嬉しそうに笑った。
冬獅郎はそんな彼女を見て、ほんの少しだけ表情を緩める。
どう言うつもりで誘ったのか、そこは考えないようにしよう。
「ただし、帰ったからってすぐに仕事を始めようとするなよ」
『え゛っ、それはー...分かってますよ?』
思わず声が濁る。
隊舎に戻ればすぐにでも仕事を再開しようと思っていた為、それを見透かされておりついしどろもどろになってしまう。
ちらりと冬獅郎を見れば、眉間に皺を寄せこちらを見ている。
「本当か?」
『ほ、本当ですってば』
「........ならいい」
会話が途切れ、少しの間沈黙が続く。
ふと、凛香は冬獅郎を見上げた。
やっぱり、何となく違う気がする。
以前よりも落ち着いて見えるような気がする、勿論元々落ち着いてはいたが...。
目元も、少し鋭くなったような...?
いや、元々こんな顔だっただろうか。
自分が眠っていた三週間の間に、何かあったのかもしれない。
けれど、考えたところで答えは出ない。
『……隊長』
「何だ」
『なんだか、雰囲気変わりました?』
冬獅郎の眉間が、わずかに動いた。
「……そうか?」
『うーん、なんとなくですけど』
「どこが」
『どこがと言われると、それが分からないんですよねぇ...』
凛香は腕を組みながら、首を傾げる。
『前よりちょっと大人っぽくなったような……?それも違うか...』
「…………」
『んー、気のせいかな』
しばらく冬獅郎は黙っていた。
やがて、短く息を吐く。
「三週間も寝てりゃ、そう見えることもあるだろ」
『それもそうですね』
あっさりと納得する凛香。
『そもそも、私の方が浦島太郎状態ですし』
「そういうことだ」
『ふふ。じゃあ、そういうことにしておきます』
それ以上、凛香が気にする様子はなかった。
ただ、冬獅郎は内心で小さく息をつく。
気づいていないわけではないらしい。
だが、まだ漠然とした違和感程度。
それがわかっただけで十分だった。
「……お前は余計なこと考えず、さっさと身体を治せ」
『はいはい』
「返事は一回だ」
『はーい』
冬獅郎は呆れたように眉を寄せた。
その顔を見て、凛香はまた笑う。
ーやっぱり、日番谷隊長だ。
そう思うと、先ほど感じていた違和感などどうでもよくなってしまった。
凛香の回復は順調に進み、短い時間ならば自力で歩けるようになっていた。
四番隊の隊士からも、退院の許可が下りる見込みだと告げられている。
『やっと帰れそうですね!』
「ええ。ですが、退院後もしばらくは安静にしてくださいね」
『ゔっ、はぁい...』
「激しい運動や隊務への復帰も、まだ先になりますから」
『分かりました』
そう不服そうに答えながらも、凛香の表情はどこか明るかった。
ようやく十番隊へ帰れる。
それだけで、気持ちが軽くなる。
その日の午後。
病室の襖が静かに開いた。
「月影、具合はどうだ」
『あ、日番谷隊長』
仕事の合間なのか、冬獅郎がお見舞いに来た。
「今日は顔色がいいな」
『そうですかね?』
冬獅郎はベッドの傍らへ歩み寄ると、近くにあった椅子に腰掛けた。
「退院の話は聞いたか」
『はい!もう少ししたら許可が出るそうです!』
「らしいな」
どこか落ち着かない様子の凛香を見て、冬獅郎は少し口元が緩む。
『隊長、迎えに来てくれます?』
「……あ?」
思いがけない言葉に、冬獅郎は目を見開く。
『退院の日です』
「.......行けたらな」
『ふふ、ありがとうございます』
凛香は嬉しそうに笑った。
冬獅郎はそんな彼女を見て、ほんの少しだけ表情を緩める。
どう言うつもりで誘ったのか、そこは考えないようにしよう。
「ただし、帰ったからってすぐに仕事を始めようとするなよ」
『え゛っ、それはー...分かってますよ?』
思わず声が濁る。
隊舎に戻ればすぐにでも仕事を再開しようと思っていた為、それを見透かされておりついしどろもどろになってしまう。
ちらりと冬獅郎を見れば、眉間に皺を寄せこちらを見ている。
「本当か?」
『ほ、本当ですってば』
「........ならいい」
会話が途切れ、少しの間沈黙が続く。
ふと、凛香は冬獅郎を見上げた。
やっぱり、何となく違う気がする。
以前よりも落ち着いて見えるような気がする、勿論元々落ち着いてはいたが...。
目元も、少し鋭くなったような...?
いや、元々こんな顔だっただろうか。
自分が眠っていた三週間の間に、何かあったのかもしれない。
けれど、考えたところで答えは出ない。
『……隊長』
「何だ」
『なんだか、雰囲気変わりました?』
冬獅郎の眉間が、わずかに動いた。
「……そうか?」
『うーん、なんとなくですけど』
「どこが」
『どこがと言われると、それが分からないんですよねぇ...』
凛香は腕を組みながら、首を傾げる。
『前よりちょっと大人っぽくなったような……?それも違うか...』
「…………」
『んー、気のせいかな』
しばらく冬獅郎は黙っていた。
やがて、短く息を吐く。
「三週間も寝てりゃ、そう見えることもあるだろ」
『それもそうですね』
あっさりと納得する凛香。
『そもそも、私の方が浦島太郎状態ですし』
「そういうことだ」
『ふふ。じゃあ、そういうことにしておきます』
それ以上、凛香が気にする様子はなかった。
ただ、冬獅郎は内心で小さく息をつく。
気づいていないわけではないらしい。
だが、まだ漠然とした違和感程度。
それがわかっただけで十分だった。
「……お前は余計なこと考えず、さっさと身体を治せ」
『はいはい』
「返事は一回だ」
『はーい』
冬獅郎は呆れたように眉を寄せた。
その顔を見て、凛香はまた笑う。
ーやっぱり、日番谷隊長だ。
そう思うと、先ほど感じていた違和感などどうでもよくなってしまった。