【第一章】大戦、そして終戦へー。
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冬獅郎は、静かになった病室で凛香を見つめていた。
規則正しい寝息。
ようやく戻った穏やかな表情。
大戦が終わってから、三週間。
彼女が目を覚ますまでの時間は、ひどく長く感じた。
何度も四番隊へ足を運び、何度も容態を尋ねた。
そして、そのたびに返ってくる答えは同じだった。
まだ目覚めない、と。
「……お前に何かあったら、俺はー」
誰に聞かせるでもなく呟く。
あの戦場で、最後に見た姿が脳裏をよぎる。
自分の卍解を写し、限界を超えた霊力を使ってまで戦った凛香。
間に入って止める間もなく、気づけば目の前に吹き飛ばされて来ていた。
あの時、自分が受け止めていなければ?
あの時、自分がもし倒れていたら?
柄にもなく、弱気にそんな事ばかり頭によぎってしまう。
そんな事は、考えたくもない。
冬獅郎は、凛香の枕元に置かれた手を見下ろした。
そして、そっと布団を掛け直す。
「……今度は、ちゃんと起きてろよ」
それは、誰にも聞こえないほど小さな声だった。