【第一章】大戦、そして終戦へー。
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しばらくして、部屋の外から足音が聞こえてきた。
「日番谷隊長ー?」
聞き覚えのある声。
襖が開き、四番隊の隊士が顔を覗かせる。
「あ!目を覚まされたんですね!」
『はい、つい先程!』
「よかった! すぐに副隊長に報告してきますね!」
慌ただしく去っていく隊士を見送り、凛香は部屋を見渡した。
やはり此処は四番隊の病室らしい。
以前の隊舎とは雰囲気が違うのですぐには気付けなかった。
恐らくは、大戦の影響で元の隊舎が崩壊し、現在は仮の隊舎なんだろうと徐々に冴えてきた頭で把握した。
ふと横を見ると、枕元には水差しと薬。 身体には、たくさんの包帯が巻かれていることに気付く。
『…結局、ずいぶん迷惑をかけちゃいましたね』
「今さら気にするな」
『でも』
「お前が今気にすることは、さっさと身体を治すことだ」
『…はい』
素直に返事をすると、冬獅郎は小さく頷いた。
それから、枕元の水差しに手を伸ばす。
「飲めるか」
『え?』
「喉、渇いてんだろ」
差し出された水を見て、凛香は少し驚いた。
確かに先程の喉の掠れもあり、喉は乾いていた。
しかしそれを彼が気づくとは思わなかった。
『あ、ありがとうございます...ぅ゛...ッ』
ゆっくりと身体を起こそうとする。
しかし、やはり腕に力が入らず、上半身がわずかに傾けられた程度だった。
「おい」
冬獅郎がすぐに手を伸ばす。
背中に腕を回し、倒れかけた身体を支えた。
「無理に動くな」
『す、すみません…』
「ったく」
背中を支えられたまま、凛香は水を口に含む。
乾いた喉に水が染み渡る。
『…おいしい』
「ただの水だ」
小さく笑うと、冬獅郎は呆れたように息を吐いた。
けれど、彼の手は凛香がきちんと横になれるまで背中から離れなかった。
『日番谷隊長』
「何だ」
『ずっと、ここにいたんですか?』
「……別に」
『そうなんですか?』
「ああ」
『ふうん』
凛香は彼の顔をじっと見た。
目の下には薄く影が落ちており、隊長羽織も身につけていないことに気づく。
ここ数週間、まともに休めていないのではないだろうか?
『隊長』
「今度は何だ」
『少し、休んだ方がいいですよ』
「お前に言われる筋合いはねえ」
『私は患者ですから!』
『意味が分からん、威張る事じゃないだろ』
『患者の言うことは聞くものですよー?』
「どんな理屈だよ」
冬獅郎は呆れた顔をした。
それでも、すぐには席を立たなかった。
凛香は、久々の会話にすぐ疲れてしまいうとうとと再び目を閉じる。
夢の中で聞いた声が、まだ耳に残っている。
懐かしくて、温かくて。
そして、今もすぐそばにある声。
『…日番谷隊長』
「何だ」
『起こしてくれて、ありがとうございます』
返事はなかった。
けれど、しばらくして。
「……ああ」
低い声が返ってきた。
凛香はその声を聞きながら、再び眠りへと落ちていった。
今度は、夢ではない。
目を覚ませば、きっとまたそこにいる。
そう思えることが、ひどく心地よかった。
「日番谷隊長ー?」
聞き覚えのある声。
襖が開き、四番隊の隊士が顔を覗かせる。
「あ!目を覚まされたんですね!」
『はい、つい先程!』
「よかった! すぐに副隊長に報告してきますね!」
慌ただしく去っていく隊士を見送り、凛香は部屋を見渡した。
やはり此処は四番隊の病室らしい。
以前の隊舎とは雰囲気が違うのですぐには気付けなかった。
恐らくは、大戦の影響で元の隊舎が崩壊し、現在は仮の隊舎なんだろうと徐々に冴えてきた頭で把握した。
ふと横を見ると、枕元には水差しと薬。 身体には、たくさんの包帯が巻かれていることに気付く。
『…結局、ずいぶん迷惑をかけちゃいましたね』
「今さら気にするな」
『でも』
「お前が今気にすることは、さっさと身体を治すことだ」
『…はい』
素直に返事をすると、冬獅郎は小さく頷いた。
それから、枕元の水差しに手を伸ばす。
「飲めるか」
『え?』
「喉、渇いてんだろ」
差し出された水を見て、凛香は少し驚いた。
確かに先程の喉の掠れもあり、喉は乾いていた。
しかしそれを彼が気づくとは思わなかった。
『あ、ありがとうございます...ぅ゛...ッ』
ゆっくりと身体を起こそうとする。
しかし、やはり腕に力が入らず、上半身がわずかに傾けられた程度だった。
「おい」
冬獅郎がすぐに手を伸ばす。
背中に腕を回し、倒れかけた身体を支えた。
「無理に動くな」
『す、すみません…』
「ったく」
背中を支えられたまま、凛香は水を口に含む。
乾いた喉に水が染み渡る。
『…おいしい』
「ただの水だ」
小さく笑うと、冬獅郎は呆れたように息を吐いた。
けれど、彼の手は凛香がきちんと横になれるまで背中から離れなかった。
『日番谷隊長』
「何だ」
『ずっと、ここにいたんですか?』
「……別に」
『そうなんですか?』
「ああ」
『ふうん』
凛香は彼の顔をじっと見た。
目の下には薄く影が落ちており、隊長羽織も身につけていないことに気づく。
ここ数週間、まともに休めていないのではないだろうか?
『隊長』
「今度は何だ」
『少し、休んだ方がいいですよ』
「お前に言われる筋合いはねえ」
『私は患者ですから!』
『意味が分からん、威張る事じゃないだろ』
『患者の言うことは聞くものですよー?』
「どんな理屈だよ」
冬獅郎は呆れた顔をした。
それでも、すぐには席を立たなかった。
凛香は、久々の会話にすぐ疲れてしまいうとうとと再び目を閉じる。
夢の中で聞いた声が、まだ耳に残っている。
懐かしくて、温かくて。
そして、今もすぐそばにある声。
『…日番谷隊長』
「何だ」
『起こしてくれて、ありがとうございます』
返事はなかった。
けれど、しばらくして。
「……ああ」
低い声が返ってきた。
凛香はその声を聞きながら、再び眠りへと落ちていった。
今度は、夢ではない。
目を覚ませば、きっとまたそこにいる。
そう思えることが、ひどく心地よかった。