寒暖
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夜具の中で、千鶴は天井を見上げていた。外に積もる雪で、部屋の中は闇ではない。外は寒いのだろうな、と思い、寝返りを打った。 今、何時ごろだろう。 布団の中は暖かだが、今外にいるあの人のことを想うと、自分まで体が冷えるようだった。
うつうつとしていたが、いつの間にか眠ったのだろう。こちらに向かってくる足音で目が覚めた。
ぱっと飛び起きる。同時に、障子の外から声がかかった。
「千鶴ちゃん、起きてるか・・・?」
声の響きから、起きていることは期待していないらしい。ためしに一応、と言った感じだ。
「起きてます」
千鶴は小声で答え、同時に寝乱れた髪を手で撫で付ける。 障子がすっと開いて、心から愛しい男の顔が覗いた。
「あ、悪い、俺が起こしちまったのか」
そういいながら、永倉は部屋へ入ってきた。一旦自分の部屋へ寄ったのだろう、寝巻きに着替えていた。
「いいえ、起こしてくださってありがとうございます。今日はいかがでしたか?」
「はは、いつもどおりさ。原田はモテまくり、土方さんは仏頂面、平助は酔って寝てた」
そういって、永倉は千鶴の夜具の前へ座った。
「永倉さん、入ってください。お寒かったでしょう?」
永倉はにかっと笑い、ありがとな、と呟きながら、千鶴の布団へもぐりこんだ。続いて、千鶴も永倉の隣に横たわる。
「あ~、あったけぇ!千鶴ちゃんの体、あったけぇなぁ」
そういって、永倉が千鶴の体を引き寄せる。永倉の体は氷のように冷たかった。火を落としているため、深夜に風呂には入れない。この積雪の中、島原から千鶴のために一人帰って来てくれたのだ。千鶴はなんとなく申し訳なくなって、涙ぐんだのを見られぬよう、永倉の胸に顔を埋めた。 永倉と指を絡ませると、やはり指も驚くほど冷たい。
「悪いな。千鶴ちゃんの体が冷えちまうな」
千鶴はそういう永倉の手を取って、人差し指を、自分の口へ持っていった。 冷たい永倉の指を、そっと吸い、口の中で舌を使って愛撫する。永倉の指が千鶴の口の中を、ゆっくりと動き出す。千鶴は目をつむり、それに応えた。 指を離し、永倉を見ると、夜目にもはっきりと赤面している。
「永倉さんのお体が、冷え切ってるので・・・」
ぐいっと永倉が、千鶴の体を引き寄せた。
「まったく。こんな煽っといて、俺がとまんなくなったらどうすんだ。もう寝ないといけねぇ時間だぜ?」
ありがとうございます。以前の約束どおり、私のところへ戻ってきてくださって、ありがとうございます。 言葉にしたいけれど、必要ないようにも思えた。 冷えた永倉の足に、自分の暖かい足を絡める。永倉が、頬をなでて、額に口づけをしてくれた。 すぅすぅと永倉の寝息が聞こえてきた。あわせて上下する永倉の胸に頬を当てながら、千鶴はこの幸せがいつまでも続きますように、と願い続けた。
うつうつとしていたが、いつの間にか眠ったのだろう。こちらに向かってくる足音で目が覚めた。
ぱっと飛び起きる。同時に、障子の外から声がかかった。
「千鶴ちゃん、起きてるか・・・?」
声の響きから、起きていることは期待していないらしい。ためしに一応、と言った感じだ。
「起きてます」
千鶴は小声で答え、同時に寝乱れた髪を手で撫で付ける。 障子がすっと開いて、心から愛しい男の顔が覗いた。
「あ、悪い、俺が起こしちまったのか」
そういいながら、永倉は部屋へ入ってきた。一旦自分の部屋へ寄ったのだろう、寝巻きに着替えていた。
「いいえ、起こしてくださってありがとうございます。今日はいかがでしたか?」
「はは、いつもどおりさ。原田はモテまくり、土方さんは仏頂面、平助は酔って寝てた」
そういって、永倉は千鶴の夜具の前へ座った。
「永倉さん、入ってください。お寒かったでしょう?」
永倉はにかっと笑い、ありがとな、と呟きながら、千鶴の布団へもぐりこんだ。続いて、千鶴も永倉の隣に横たわる。
「あ~、あったけぇ!千鶴ちゃんの体、あったけぇなぁ」
そういって、永倉が千鶴の体を引き寄せる。永倉の体は氷のように冷たかった。火を落としているため、深夜に風呂には入れない。この積雪の中、島原から千鶴のために一人帰って来てくれたのだ。千鶴はなんとなく申し訳なくなって、涙ぐんだのを見られぬよう、永倉の胸に顔を埋めた。 永倉と指を絡ませると、やはり指も驚くほど冷たい。
「悪いな。千鶴ちゃんの体が冷えちまうな」
千鶴はそういう永倉の手を取って、人差し指を、自分の口へ持っていった。 冷たい永倉の指を、そっと吸い、口の中で舌を使って愛撫する。永倉の指が千鶴の口の中を、ゆっくりと動き出す。千鶴は目をつむり、それに応えた。 指を離し、永倉を見ると、夜目にもはっきりと赤面している。
「永倉さんのお体が、冷え切ってるので・・・」
ぐいっと永倉が、千鶴の体を引き寄せた。
「まったく。こんな煽っといて、俺がとまんなくなったらどうすんだ。もう寝ないといけねぇ時間だぜ?」
ありがとうございます。以前の約束どおり、私のところへ戻ってきてくださって、ありがとうございます。 言葉にしたいけれど、必要ないようにも思えた。 冷えた永倉の足に、自分の暖かい足を絡める。永倉が、頬をなでて、額に口づけをしてくれた。 すぅすぅと永倉の寝息が聞こえてきた。あわせて上下する永倉の胸に頬を当てながら、千鶴はこの幸せがいつまでも続きますように、と願い続けた。
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