壁ドン
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《好きな人からの、壁ドン》
「すみません・・・」
千鶴は部屋の真ん中で、お酒の乗った盆を前に小さくなっている。これで何度目の謝罪だろうか。
「だ~から。気にするなっての。どうせ総司のやろうがいつものように千鶴ちゃんをからかってたんだろ。あいつも凝りねぇからなぁ」
いつものように太陽のような笑顔を浮かべた永倉は、盆から徳利を持ち上げると、猪口にそそいで、一つを千鶴に手渡した。
「・・・ありがとうございます」
そっと猪口に唇をつけて少し口に入れると、ふんわりとしたお酒の香りが広がる。なんだかほっと一息ついたようだ。今日は皆お酒のせいか、おかしかったもんなぁ・・・。 永倉は隊務があったため、花見にはまだ参加していない。風呂上りの永倉のために、一緒にお酒を飲もうと用意してきたのだが・・・。
「・・・千鶴ちゃん?」
千鶴は「はい?」と返す。
「なんで、こっち見ねぇんだ?」
「・・・いえ、別になんでも・・・」
と、やはりあさっての方向を見て応える。
「いや、なんでもねぇってことないだろ。どっち向いてんだよ?」
「・・・」
千鶴はそわそわと座りなおしたりしたが、真っ赤になってぼそぼそと呟いた。
「その・・・永倉先生、今日は珍しく・・・」
「うん?」
「お風呂上りなので、その・・・いつもの服装ではなくて、着流しなので・・・」
「ああ、まぁ・・・。で?」
「で・・・あの・・・なんでもないです」
はぁ?という永倉に、
「あっあの!おなか空かれてますよね!?今何か持ってきます!」
と勢い良く立ち上がり、部屋を出ようとする。すると、後ろから腕を取られ、とん、と壁に背を押し付けられた。目の前には、大好きな人の顔。
「千鶴ちゃん?確かに腹は減ってるけど、今は飯より食べたいものがあるんだけどな」
そういうと、壁に手をつけたまま、そっと頭を下げると、千鶴に口付けた。 千鶴は恥ずかしそうに、永倉の襟をそっと指で掴む。
「で、俺が着流しだから、なんだって?」
「・・・その・・・いつもと感じが違うので、その・・・」
永倉が、両腕で千鶴を優しく抱き寄せた。 耳元で、惚れ直したか?と尋ねる。 真っ赤になりながら、千鶴は永倉の腕の中で頷く。ちょっと永倉は驚いたようだが、嬉しそうに声を上げて笑った。
「くそっ。こりゃやっぱり、飯どころの話じゃねぇな、千鶴ちゃん」
そういって、永倉は再び千鶴に口付けた。長く、深く。唇を離すと、どちらからともなく、くすりと笑いあった。 この暖かい時間が、永遠に続きますように。 千鶴は胸の中で、神様にお願いしたのだった。
「すみません・・・」
千鶴は部屋の真ん中で、お酒の乗った盆を前に小さくなっている。これで何度目の謝罪だろうか。
「だ~から。気にするなっての。どうせ総司のやろうがいつものように千鶴ちゃんをからかってたんだろ。あいつも凝りねぇからなぁ」
いつものように太陽のような笑顔を浮かべた永倉は、盆から徳利を持ち上げると、猪口にそそいで、一つを千鶴に手渡した。
「・・・ありがとうございます」
そっと猪口に唇をつけて少し口に入れると、ふんわりとしたお酒の香りが広がる。なんだかほっと一息ついたようだ。今日は皆お酒のせいか、おかしかったもんなぁ・・・。 永倉は隊務があったため、花見にはまだ参加していない。風呂上りの永倉のために、一緒にお酒を飲もうと用意してきたのだが・・・。
「・・・千鶴ちゃん?」
千鶴は「はい?」と返す。
「なんで、こっち見ねぇんだ?」
「・・・いえ、別になんでも・・・」
と、やはりあさっての方向を見て応える。
「いや、なんでもねぇってことないだろ。どっち向いてんだよ?」
「・・・」
千鶴はそわそわと座りなおしたりしたが、真っ赤になってぼそぼそと呟いた。
「その・・・永倉先生、今日は珍しく・・・」
「うん?」
「お風呂上りなので、その・・・いつもの服装ではなくて、着流しなので・・・」
「ああ、まぁ・・・。で?」
「で・・・あの・・・なんでもないです」
はぁ?という永倉に、
「あっあの!おなか空かれてますよね!?今何か持ってきます!」
と勢い良く立ち上がり、部屋を出ようとする。すると、後ろから腕を取られ、とん、と壁に背を押し付けられた。目の前には、大好きな人の顔。
「千鶴ちゃん?確かに腹は減ってるけど、今は飯より食べたいものがあるんだけどな」
そういうと、壁に手をつけたまま、そっと頭を下げると、千鶴に口付けた。 千鶴は恥ずかしそうに、永倉の襟をそっと指で掴む。
「で、俺が着流しだから、なんだって?」
「・・・その・・・いつもと感じが違うので、その・・・」
永倉が、両腕で千鶴を優しく抱き寄せた。 耳元で、惚れ直したか?と尋ねる。 真っ赤になりながら、千鶴は永倉の腕の中で頷く。ちょっと永倉は驚いたようだが、嬉しそうに声を上げて笑った。
「くそっ。こりゃやっぱり、飯どころの話じゃねぇな、千鶴ちゃん」
そういって、永倉は再び千鶴に口付けた。長く、深く。唇を離すと、どちらからともなく、くすりと笑いあった。 この暖かい時間が、永遠に続きますように。 千鶴は胸の中で、神様にお願いしたのだった。
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