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「ふっ、う、はぁはぁ、やっと、出来たぞ……」
心地よい疲労感に任せるまま後ろに倒れこむと、視界いっぱいに満点の星空が飛び込んで来た。冷たい風が火照った頬に気持ちいい。
暫く草の上に寝転んで美しい星空を眺めていたが、少々肌寒くなって来たのでそろそろ家に入ることにした。
ここまで苦労して作った家ーー。
改めて、もう一度視界にそれを収める。
それは大きめのテントのような形をしていた。骨組みはここにあった手頃な大きさの材木で作られていて丸々日が沈むまで時間をかけただけあってしっかりとしており、見た目も綺麗だ。
中には、私が両手両足を広げても空きがある程のスペースがある。そして下にはこれまたここで見つけたブルーシートが敷かれていて、屋根や壁に当たる部分にも同じものが巻きつけられている。
まあ詰まるところ手作りテントである。
昼を丸々使い切ってコレかよとか言う人もいるかもしれないが、勿論これにはれっきとした訳がある。
例えば、私がここで普通の家を造ったとしよう。その家は私が今回造った家よりも確かに丈夫だ。
しかし、みなさんお忘れかもしれないのでもう一度言うが
この世界はグロアニメである
私が今居るこの拠点は確かに住民もいないし凶暴な動物の気配もない。しかし、奴らがいつまでもやって来ないとは限らないのだ。ぶっちゃけてしまえばスプレンディドとかいつどこから来るとか全く分からないし此処に面した山には前ランピーが居た。
しかも奴ら的に私は未確認生物みたいな扱いっぽいので、捕獲とかに乗り出されると厄介である。スプレンディドがなぜ普通に接して来たのかは触れないとして、とにかく此処もいつ危険が迫ってくるか分からない。それならいっそ簡単な家の方がいざとなった時に逃げやすいしバラして持ち運ぼうと思えば持ち運べるので私がいた痕跡も消せる。それによく考えたら防御力とかこの世界ではあまり意味を成さないのであっても特にメリットはない。それらを総合して考えるとテント式住処の方が断然お得!お家を買うならテント式の草原草子ホームだ。異論は認める。
ちなみに今回家造りで時間がかかったのは周りに誰もいないか10分毎くらいに確認していたからである。安全確認は大事なので。というか何か寒いな……あ。
そこまで考えて、私は未だ自分が家の中に入っていなかったことに気づいた。自覚すると余計寒さを感じ始めたので、私は二の腕を擦りながら家の中へと入っていった。
中は外よりも幾分かは暖かく、冷えた私の身体を優しく包み込んだ。
毛布なんていう気の利いた物も無いので私はブルーシートの上でゴロンと寝転がる。ここで幸運だったことは此処ら辺は地面がある程度平らだったので1日2日目のように木に寄りかかって眠るような寝苦しい思いはしないで済むことだろうか。
そうやって思考しているうちに、心地よい疲労が心地よい眠気となって瞼を下げ始める。
私は、明日も無事に過ごせますようにと自分の運を願ってから完全に瞼を閉じた。
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