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FGO

※1 捏造注意。
※2 新殺はまったく喋らない。



ボロボロの建物の中は焦げ臭く、煙から逃げるように走っていた。

どうしてこうなった。

何がどうなった。

人理保証機関カルデアの北部局にたまたま移動させられたマスター候補、そのうえ一般枠から入れられた俺にしてみれば対処すらもわからない。

人のうめき声がどこからも聞こえてくる。

パニックのまま駆け込んだ部屋は暗くて扉をしめ震える膝を必死に抱えた。


一体どのくらいたったのだろう……

顔を出したところで状況なんて変わりはしない…不安で震える体を抱きしめながら一歩ずつ歩いた。

あたりからは鉄の匂い、炎の明るさはこれは現実だと突きつけるように煌々と輝いていた。

どの部屋を覗いても確実に誰かは倒れ、燃え、床を紅く染めていた。

機械はうんともすんとも動かなく、管理しているであろう人達がパソコンの前で伏している様は自分を絶望させるのに充分だった。

放心状態になってそのまま倒れてしまいたい……そう思いだした自分の耳にうめき声が届いた。

生きてる人が居る?

藁にもすがる思いで駆け出しうめき声を辿った。

一人だけ…瓦礫の間から胴体だけ出ている人が居た。その胴の胸にも柱が立っていた

「…一般枠の………」

助けにもならない…その男の目はそう語っていた。
虚ろになりかけたその男は一言だけこう言った。


「…南部の本局に連絡しろ」

『…え?』

助かりたけりゃな…そう呟いたように聞こえた。もう、動かなくなった。

なんの手掛かりにもならなくって本気で諦めかけて床を見た。

落ちていた資料が目にはいる。

"英霊召喚システム"

……それにどうしても目を離せなくなった。

機械の修理…連絡……
……ああ、するしかない。

何かに取り憑かれたように資料を掴んで走った。どうせ自分だって召喚する側だ…俺は生きたい…なら、どんな手段でも構わない。

助けて、助けて!!

そんな思いで陣を描いて手をかざす。

『素に銀と鉄。』

次第に光輝き呼応する。手の甲が熱い…

『告げる。
  汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
  聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従 うならば応えよ!!!』

光は柱になって弾けた。

人影がある。

声が響いた。

「さて、召喚されたアサシンだ!真名は内緒ってことでな!なーに、すぐにわかるだろうよ!」

まったく状況に合わない声の調子。
姿は美しく、長い後ろ髪が揺れる。
胸から見える刺青は美しく、どこまであるのかわからない。


それがアサシンと…役立たずな生き残りの俺の始まりだ。
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