彼女の秘密。
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警察で事情を話した花音と、付添いの安室は帰路についていた。
帰り道が同じという事もあり、いつものように安室が花音を送ることになったのだ。
ただし、安室の愛車はポアロに置いたままの為今日は歩きだ。
「そういえば、どうしてウィッグを?」
「あぁ、なんとなく嫌な予感がして。正直体は守れる自信あったし、最悪かすり傷くらいで収められると思ってたんです。でも、髪の毛を守るのは難しいなって。だから一応保険として。・・・髪の毛を守りたかったっていうのもありますけどね。」
「守りたかった?」
確かに、髪は女性の命だと言うが、と安室は思った。
「父が、私の髪の毛を大好きだと言ったんです。母と同じこの黒髪が。他は父に似たので。
私の母は私を産んですぐに死んでしまったんです。それからは父が男手一本で四年前まで育ててくれたんです。」
「四年前、まで?」
安室のその言葉に花音は頷き、フッと口元に笑みを浮かべた。
「殺されたんです。父は警察官だったんですが、所属は警視庁公安部でした。ある仕事で運悪く。とある組織の取引現場を抑えるために張り込んでいたそうなんですが、銃撃戦になって部下を守ろうとして、流れ弾に当たってしまったんです。本当はこんな事教えてもらえないんですけどね。それこそ、公安警察なんて家族にさえ配属が秘匿になってるそうですし。だから、私が父の所属を知ったのは父の死後でした。父の部下にあたる方が教えてくれました。相手組織の事や死因の本当に深い部分については一切教えてもらえませんでしたけどね。・・・だから、と言う訳じゃないんですけど私は警察官になりたい。敵討ちとか、そんなんじゃないんですけど、もう、父のようなことには誰もしたくない。・・・父の階級は、殉職による二階級特進で警視正になりました。私は父のように、じゃなく、父を越す警察官になりたいんです。・・・だから、」
黙って聴いていた安室が言葉の続きを言った。
「だから、キャリア採用か。」
安室の言葉に花音は頷いた。
「そういう訳で父の死後一年間は祖父母のいる大阪にいたんです。こっちに戻るって言った時は猛反対食らって祖父にはぶん殴られましたけど。女の子なのにですよぉ?」
花音は笑いながら言った。
「そう、なんですか。でも良かったんですか?僕なんかにこんな大事な話をしてしまって。」
「えぇ、私の事に巻き込んでしまったので、そのお詫びって言うことにしといて下さい。探偵なら、持っていて損な情報はないでしょ?」
ニコリと笑った花音の表情が本物なのか、偽物なのか、安室には判断する事が出来なかった。
「今日は本当にありがとうございました。家まで送ってもらっちゃいましたし。またその内ポアロ行きますね。おやすみなさい。」
花音を家まで送り、安室は“自分の”家に帰るとある番号に電話をした。
勿論盗聴機等の有無を確認してから。
「風見か、僕だ。少し調べて欲しい事がある。急ぎでは無いんだが。・・・四年前に殉職した警視庁公安部の”真壁”という人物についてだ。」
電話相手である風見は息を呑んだ。
「!真壁、さん・・・ですか。」
「知っているのか。」
「自分の、上司だった人です。」
帰り道が同じという事もあり、いつものように安室が花音を送ることになったのだ。
ただし、安室の愛車はポアロに置いたままの為今日は歩きだ。
「そういえば、どうしてウィッグを?」
「あぁ、なんとなく嫌な予感がして。正直体は守れる自信あったし、最悪かすり傷くらいで収められると思ってたんです。でも、髪の毛を守るのは難しいなって。だから一応保険として。・・・髪の毛を守りたかったっていうのもありますけどね。」
「守りたかった?」
確かに、髪は女性の命だと言うが、と安室は思った。
「父が、私の髪の毛を大好きだと言ったんです。母と同じこの黒髪が。他は父に似たので。
私の母は私を産んですぐに死んでしまったんです。それからは父が男手一本で四年前まで育ててくれたんです。」
「四年前、まで?」
安室のその言葉に花音は頷き、フッと口元に笑みを浮かべた。
「殺されたんです。父は警察官だったんですが、所属は警視庁公安部でした。ある仕事で運悪く。とある組織の取引現場を抑えるために張り込んでいたそうなんですが、銃撃戦になって部下を守ろうとして、流れ弾に当たってしまったんです。本当はこんな事教えてもらえないんですけどね。それこそ、公安警察なんて家族にさえ配属が秘匿になってるそうですし。だから、私が父の所属を知ったのは父の死後でした。父の部下にあたる方が教えてくれました。相手組織の事や死因の本当に深い部分については一切教えてもらえませんでしたけどね。・・・だから、と言う訳じゃないんですけど私は警察官になりたい。敵討ちとか、そんなんじゃないんですけど、もう、父のようなことには誰もしたくない。・・・父の階級は、殉職による二階級特進で警視正になりました。私は父のように、じゃなく、父を越す警察官になりたいんです。・・・だから、」
黙って聴いていた安室が言葉の続きを言った。
「だから、キャリア採用か。」
安室の言葉に花音は頷いた。
「そういう訳で父の死後一年間は祖父母のいる大阪にいたんです。こっちに戻るって言った時は猛反対食らって祖父にはぶん殴られましたけど。女の子なのにですよぉ?」
花音は笑いながら言った。
「そう、なんですか。でも良かったんですか?僕なんかにこんな大事な話をしてしまって。」
「えぇ、私の事に巻き込んでしまったので、そのお詫びって言うことにしといて下さい。探偵なら、持っていて損な情報はないでしょ?」
ニコリと笑った花音の表情が本物なのか、偽物なのか、安室には判断する事が出来なかった。
「今日は本当にありがとうございました。家まで送ってもらっちゃいましたし。またその内ポアロ行きますね。おやすみなさい。」
花音を家まで送り、安室は“自分の”家に帰るとある番号に電話をした。
勿論盗聴機等の有無を確認してから。
「風見か、僕だ。少し調べて欲しい事がある。急ぎでは無いんだが。・・・四年前に殉職した警視庁公安部の”真壁”という人物についてだ。」
電話相手である風見は息を呑んだ。
「!真壁、さん・・・ですか。」
「知っているのか。」
「自分の、上司だった人です。」