「えぇっ！？　高木君が拉致されてる場所を北海道に限定した方が良いって、何でだね、コナン君、花音君。」
　目暮に聞かれ、コナンは高木と一緒にカラスが映った場面を表示し、花音は家から持ってきた図鑑を出した。
「だって、高木刑事と映ってるカラスは多分、西コクマルカラスだよ！　ね、花音姉ちゃん！　花音姉ちゃんが図鑑で調べたんだ。」
「画面に映ってるカラスの首の所灰色ですよね。で、そういう種類は二種類だけいて、ハシボソガラスとニシコクマルガラスだけでした。この写真と比べてみると、西コクマルガラスという事がわかります。西コクマルガラスはだいたいヨーロッパにいるんですが、二回だけ日本に迷い込んできたことがあって、その二回のどちらも北海道だったそうです。」
　花音とコナンの解説に刑事たちはそれだけで決めるのは、と、決め手には少し欠けていた。
「何？　あの光。」
　佐藤の言葉に花音は図鑑を置き、タブレットを見た。
「高木さんのバックの空に細い光の柱が…」
「これって…。」
「サンピラー現象。日の出や日没後に太陽の光が空気中のダイヤモンドダストに反射して柱状に輝いて見える…。」
「え？」
「これ、日本だと寒い北海道くらいでしか見れませんよ。ダイヤモンドダストが発生する気温は氷点下20度以下。この映像だとかなり遠くに見えますけど、それでもサンピラー現象が見えるくらいの距離にいるという事。」
　コナンの説明を引き継いだ花音の言葉に松本が刑事たちに命令する。
「北海道だ！　高木が拉致されている場所を北海道だと断定する！　道警に動作協力を仰ぎ、北海道内の建設業者及び解体作業者すべてに連絡！　再度調査するように要請しろ！　目暮、お前は佐藤と共に北海道へ飛べ！　被疑者のメールの友人という言葉から現場に共犯者が潜んでいる可能性もある。拳銃の携帯を忘れるなよ！」
　その後、子供たちと一緒に帰された花音はバイクにまたがり自宅に帰った。
「あれ、でも北海道の四階以上の工事現場は調べてるって言ってたのにな。それに高木さんがシートと手帳落としてたのも…。新一にメール入れとくか。」
　花音はコナンにメールすると、高木の映像が送られてきた。
どうやら光彦が撮っていたのを転送したらしい。
「…！　そういうことか。」
　花音は直後にコナンに電話を掛けた。
「もしもし、新一、映像ありがとう。私も分かったわ。明日、朝一バイクで迎えに行くけど、いい？」
　今は夜で恐らく高木の捜索も明日の朝からになるということもあってだ。
「あぁ！　流石花音だな。明日探偵事務所の前で待っとく。」