次の日にまたいつも通り準備を終え、部活までこなした花音はその日はポアロには寄らずに帰っていると安室と偶然出会った。
「あれ、安室さん、こんにちは！」
「こんにちは花音さん。今帰りですか？」
「はい、安室さんは・・・買い出し、ですか？」
「えぇ、ポアロの。花音さん、今日は来られないんですか？」
安室に言われ申し訳なさそうに花音は頷いた。
「今日はこの後予定があって。すみません。」
「そうなんですか、またいつでも来て下さいね！」
「もちろん！」
花音が去って行く姿を見ながら自分もポアロに戻ろうと足を進めた安室だったが、ふと、さっきの状況を思い出した。
近くにいた男だ。
ただそこにいただけならいい。
そう、“いただけ”なら。
しかしあの男は昨日花音がコンビニに入った直後に入った男と同一人物だった。
そして、しきりに外を気にしていた花音。
まさかとは思ったが、安室は花音の進んだ道の方駆け出した。