しばらく車を走らせていると、花音のスマホに着信があった。
「もしもし、博士？　え、コナンを乗せた車が王石街道を北上してる！？　安室さん、この道上にいるみたいです。車は青い小型車。で、ナンバーは？」
　花音が阿笠から続きを聞こうとすると、反対車線に該当する車を見つけた安室はハンドルを切った。
「何かにつかまって！」
　急ハンドルを切ったRX-7はすさまじいタイヤ音を鳴らしながら反対車線へと入り込んだ。
安室の運転するRX-7が沖矢が運転するスバルに並び、二台が青の小型車を追う。
「毛利先生、先生はそのまま右側のシートベルトを締めていてください。花音さんはシートベルトを外してこちらに。」
「まさか安室さん！」
　安室が何をしようとしているのか理解した花音は顔を引きつらせながらもシートベルトを外した。
シートベルトを外した花音を安室は自身へと抱き寄せた。
「お、おい！　何やってんだよ！」
　目の前の出来事に困惑する小五郎だったが、花音は次に起きるであろう衝撃に備えて安室の邪魔にならない程度にしがみついた。
安室が車を横向きにさせると、そのまま青い小型車が安室の車に突っ込んだ。
　青い小型車から、コナンを抱えながらこめかみに拳銃を突き付けた三人目の容疑者であろう女が出てきた。
「な、何なのよ！？　あんたら！」
　そこへバイクで駆け付けた世良が小型車の上に乗り上げた。
「吹っ飛べェ！」
　世良はそのままの勢いで三人目の容疑者の女の顔面にバイクの後輪をぶつけた。
「真澄！　バカ、やりすぎ！」
　花音の声を無視し世良はへたり込んでいるコナンに抱き着いた。
「よかったー！　無事だったかー！？」
「コナン！」
　花音と小五郎がコナンの元へ駆けつけた。
「ったくこの馬鹿。蘭になんて言い訳すればいいと思ってる訳！？」
「あはは、ごめんなさい。」
　そしてそのすぐ近くの歩道橋の上からこちらを花音たちの方を見ながら電話をしているシルバーブロンドの女がいた。