「…」
「花音さん、気休めにしかならないかもしれませんが、今すぐコナン君に危害が加えらえられる恐れは少ないと思いますよ。」
　先ほどのコナンからのメールが届いてからずっとスマホをじっと見て黙り込む花音に安室が声を掛ける。
「まぁ、花音さんもわかってるでしょうけどね。我々が先ほどのメールでの警告を無視して、警察に連絡する恐れもあるわけですから、検問に止められた時の為に、人質には生きていてもらわなくてはなりません。」
　花音は安室の言葉を聞き、真一文字に固めていた口元を緩め、静かに頷いた。
「しかしなぁ、彼女の目的が残りの強盗犯を殺害する事だとしたら、その巻き添えを食らってって事も。」
「ええ、ですから、彼が危険な状況にある事は変わりありません。急ぎましょう。」
　安室はアクセルを強めに踏み込み、コナンたちの元へ早く駆け付けるべく、RX-7のスピードを上げた。