探偵たちの夜想曲[誘拐]
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花音は阿笠にコナンの追跡を頼むために電話をしていた。
「何ィ!? コナン君が誘拐されたじゃとォ!? しかも犯人にか!?」
「そう。といってもあいつのことだし、十中八九自分でついてったと思うけど。まあ、それで、コナンの探偵バッジを追跡眼鏡で追ってほしいの。確か、予備あったよね。―――っとごめん博士、キャッチ入ったから切るね。もしかしたらコナンからかもだから。」
花音はそういって一度電話を切り、電話に出た。
「どーして急に電話切ったりするんだよ! ボクの事嫌いなのか!?」
「真澄か。ごめん、色々あってね。コナンが誘拐されちゃったの。」
世良の大声にスマホを耳から離しながら花音が話す様子を安室はじっと観察していた。
「なるほど、探偵事務所のトイレの中で拳銃自殺した男に拉致られていたのは、樫塚圭って女で、その彼女の自宅をマンションの部屋まで送ったけど、そこで新たにスーツケースに詰められた遺体を見つけ、気が付いたら彼女がコナン君を連れ去り、警察に連絡すれば命はないってメールしてきたんだな? まぁ、そこにいるのが蘭君じゃなくて花音ならある程度の検討はついてるんだろ。それに、コナン君にもね。とにかく、これからボクもそっちに向かうよ!」
花音は世良の言葉にげんなりした。
「真澄も来るの?」
「あぁ。君の言う、小五郎さんの弟子っていう探偵にも会ってみたいしな。」
花音は、これだから探偵は…と、自分を棚に上げてため息を吐くのだった。
遺体のあった部屋の窓を開けると、匂いはだいぶ収まった。
「で、やっぱ警察に電話する?」
「そうだな。」
花音と小五郎が相談していると、どこへ行っていたのか、安室が部屋に戻ってきた。
「それより妙ですよ、この部屋。」
「あん? 妙って一体何が?」
小五郎が意味が分からないといったように、安室に視線を向けた。
「下駄箱には男物の靴しか入っていません。」
「さっき、一応洗濯物とか、クローゼット見たけど、全部男物だったよ。」
一応は女性の部屋かもしれないという事で、衣類が関わるところは花音がみていたのだ。
「じゃあ、ここに住んでたのは、圭さんの亡くなった兄だけだったってことか?」
「それはまぁわかりませんが、この部屋の住人は先日起こったある事件にかなり注目していたのは確かですね。」
安室の言葉に三人はリビングのテレビをつけた。
ハードディスクを見てみると、そこにはニュースやワイドショーばかりが録画されていて、内容はほとんどが先日の銀行強盗事件のことだったのだ。
「こいつは今朝から公開してる防犯カメラに映った三人組の強盗犯の映像だな。確か、小柄な奴と、痩せた奴と、ガッシリした奴の三人組だったな。」
「そうだね、そのガッシリしてたのが拳銃撃ったとこも映ってたし…。ちょっと待って、そういえばこの撃たれた人…。」
花音はそういうなり、番組を少し早送りした。
『なお。この時犯人をなだめようとして、射殺された銀行員、庄野賢也さんの通夜が昨晩行われ、庄野さんの勇気ある行動に心打たれた弔問客の列が深夜まで絶えませんでした。』
庄野賢也という男性の写真は先ほど、自らを樫塚圭と名乗った女の兄と紹介された男性だった。
「圭さんがお兄さんって言ってた人だね。苗字が違うけど。」
「それに変じゃねーか? ここに住んでたのが圭さんの兄なら、今朝のニュースを編集できるわけねぇぞ!?」
「まぁ、住んでいたのが誰にせよ、こんなニュースやワイドショーをわざわざ録り溜めているということは、よほどの犯罪マニアか、犯人に復習を目論む被害者遺族か、もしくは強盗犯本人と考えた方が自然ですよね? 兎に角、もう少しこの部屋を調べましょう。といっても、もう寝室にあったパソコンくらいしか調べるところは残っていませんけど。」
安室がそういい放ち、寝室に向かうのを花音は呼び止めた。
「安室さん、どうしてそんなに切れる探偵なのに、おじさんの弟子なんてやってるんですか? 普通に考えておかしいでしょ。」
花音は安室に疑いのまなざしを隠そうともせずに向けるが、安室はそれを笑った。
「毛利先生はああやって悩んでいるフリをされていますが、実はもうほぼ真相を見抜いておられて、僕を試してらっしゃるんですよ。この前のDNA事件の時もそうでしたし。昼間の拳銃自殺も僕が偉そうに推理を披露したがために起きてしまった悲劇。先生や花音さんならもっとうまく対処したはずです。僕なんてまだまだですよ。」
安室はそういって笑いながら花音に背を向けたが、“眠りの小五郎”の真実を知っている花音はまだ、安室を訝し気に見つめるのだった。
「何ィ!? コナン君が誘拐されたじゃとォ!? しかも犯人にか!?」
「そう。といってもあいつのことだし、十中八九自分でついてったと思うけど。まあ、それで、コナンの探偵バッジを追跡眼鏡で追ってほしいの。確か、予備あったよね。―――っとごめん博士、キャッチ入ったから切るね。もしかしたらコナンからかもだから。」
花音はそういって一度電話を切り、電話に出た。
「どーして急に電話切ったりするんだよ! ボクの事嫌いなのか!?」
「真澄か。ごめん、色々あってね。コナンが誘拐されちゃったの。」
世良の大声にスマホを耳から離しながら花音が話す様子を安室はじっと観察していた。
「なるほど、探偵事務所のトイレの中で拳銃自殺した男に拉致られていたのは、樫塚圭って女で、その彼女の自宅をマンションの部屋まで送ったけど、そこで新たにスーツケースに詰められた遺体を見つけ、気が付いたら彼女がコナン君を連れ去り、警察に連絡すれば命はないってメールしてきたんだな? まぁ、そこにいるのが蘭君じゃなくて花音ならある程度の検討はついてるんだろ。それに、コナン君にもね。とにかく、これからボクもそっちに向かうよ!」
花音は世良の言葉にげんなりした。
「真澄も来るの?」
「あぁ。君の言う、小五郎さんの弟子っていう探偵にも会ってみたいしな。」
花音は、これだから探偵は…と、自分を棚に上げてため息を吐くのだった。
遺体のあった部屋の窓を開けると、匂いはだいぶ収まった。
「で、やっぱ警察に電話する?」
「そうだな。」
花音と小五郎が相談していると、どこへ行っていたのか、安室が部屋に戻ってきた。
「それより妙ですよ、この部屋。」
「あん? 妙って一体何が?」
小五郎が意味が分からないといったように、安室に視線を向けた。
「下駄箱には男物の靴しか入っていません。」
「さっき、一応洗濯物とか、クローゼット見たけど、全部男物だったよ。」
一応は女性の部屋かもしれないという事で、衣類が関わるところは花音がみていたのだ。
「じゃあ、ここに住んでたのは、圭さんの亡くなった兄だけだったってことか?」
「それはまぁわかりませんが、この部屋の住人は先日起こったある事件にかなり注目していたのは確かですね。」
安室の言葉に三人はリビングのテレビをつけた。
ハードディスクを見てみると、そこにはニュースやワイドショーばかりが録画されていて、内容はほとんどが先日の銀行強盗事件のことだったのだ。
「こいつは今朝から公開してる防犯カメラに映った三人組の強盗犯の映像だな。確か、小柄な奴と、痩せた奴と、ガッシリした奴の三人組だったな。」
「そうだね、そのガッシリしてたのが拳銃撃ったとこも映ってたし…。ちょっと待って、そういえばこの撃たれた人…。」
花音はそういうなり、番組を少し早送りした。
『なお。この時犯人をなだめようとして、射殺された銀行員、庄野賢也さんの通夜が昨晩行われ、庄野さんの勇気ある行動に心打たれた弔問客の列が深夜まで絶えませんでした。』
庄野賢也という男性の写真は先ほど、自らを樫塚圭と名乗った女の兄と紹介された男性だった。
「圭さんがお兄さんって言ってた人だね。苗字が違うけど。」
「それに変じゃねーか? ここに住んでたのが圭さんの兄なら、今朝のニュースを編集できるわけねぇぞ!?」
「まぁ、住んでいたのが誰にせよ、こんなニュースやワイドショーをわざわざ録り溜めているということは、よほどの犯罪マニアか、犯人に復習を目論む被害者遺族か、もしくは強盗犯本人と考えた方が自然ですよね? 兎に角、もう少しこの部屋を調べましょう。といっても、もう寝室にあったパソコンくらいしか調べるところは残っていませんけど。」
安室がそういい放ち、寝室に向かうのを花音は呼び止めた。
「安室さん、どうしてそんなに切れる探偵なのに、おじさんの弟子なんてやってるんですか? 普通に考えておかしいでしょ。」
花音は安室に疑いのまなざしを隠そうともせずに向けるが、安室はそれを笑った。
「毛利先生はああやって悩んでいるフリをされていますが、実はもうほぼ真相を見抜いておられて、僕を試してらっしゃるんですよ。この前のDNA事件の時もそうでしたし。昼間の拳銃自殺も僕が偉そうに推理を披露したがために起きてしまった悲劇。先生や花音さんならもっとうまく対処したはずです。僕なんてまだまだですよ。」
安室はそういって笑いながら花音に背を向けたが、“眠りの小五郎”の真実を知っている花音はまだ、安室を訝し気に見つめるのだった。