次の日の朝花音はマフィンとサラダとスープを食べ、家を出ようとした時ポストを見ると封筒が入っていた。
「私宛？」
封筒に手紙が入っているのを確認した花音は内容に目を通すと花音は自分の口角が上がるのを感じた。
　学校に行き、いつも通り授業を受け、今の部活であるバドミントン部で部活をして、ポアロに行った。
「いらっしゃいませ。おや、花音さんお一人ですか？」
昨日と同じようにカウンターには安室がいた。
「はい、安室さんのコーヒーが飲みたくて。あ、でもカフェラテでも良いなあ。やっぱりカフェラテで！あと、ハムサンドお願いします。」
花音は昨日と同じカウンター席に座り、二つが出来上がるまで図書室で借りた生物学の新書を読んだ。
「お待たせしました。カフェラテとハムサンドです。」
「わぁ！美味しそうですね！頂きます！」
花音は自分の食べたハムサンドの中で一番ダントツに美味しかった事と、空腹感が同時にあって、笑顔でハムサンドを頬張った。
「花音さんって、本当に美味しそうに食べますよね。こちらとしても作りがいがあります。
・・・そういえば」
安室の言葉に花音が首を傾げると、安室は花音の方へ少し身を乗り出した。
「昨日からよく外を気にしてらっしゃいますが、何かあるんですか？」
小声で囁いてきた安室はあえて核心を突かずに花音に尋ねた。
「えぇ？気の所為じゃないですか？」
「・・そう・・ですかね。そうだ、花音さん僕のシフトもう終わるんです。なのでよろしければまたご自宅まで送りますよ。」
「う～ん、じゃあお言葉に甘えても良いですか？実は部活がいつもよりキツくて疲れてたんです。」
大会直前という事もあり、心身共に疲れていた花音は安室の誘いに乗った。
昨日と同じくポアロの駐車場に停めてあるRX-7に乗り込むと、花音がある事を思い出した。
「あ、すみません安室さん、途中でコンビニに寄って頂いても良いですか？」
「えぇ、勿論です。近くにセブンテンがありましたね。そこで良いですか？」
「はい、お願いします。」
車を発進させ約三分程でコンビニに着いた。
花音が降りた後、安室も降りようとすると安室のスマホに電話が来た。
花音が店に入り、次に男が入ったのを見ながら電話に出ると相手はポアロのマスターだった。
「安室君、申し訳ないんだけど明日の午後にバイト入って貰っても良いかな。急な予定が入ってしまって・・・」
「大丈夫ですよ。いつも急なシフト変更して頂いてますし。明日は特に予定もないので。」
「あぁ、良かった。助かったよ。じゃあ明日は頼むね、安室君。」
電話を切ると、花音が買い物を終えたのか車に戻ってきた。
「すみません、お待たせしました！」
「いえ、お誘いしたのはこちらですし。何を買われたんですか？」
安室がそう言うと、花音は袋の中から色々な種類のチョコレートを出した。
「チョコレート、ですか。」
「はい、見ての通りチョコです。安室さん、この前私が、糖分不足でって話したの覚えてます？それで、この間皆に糖分常に常備してろって怒られちゃって。」
「なるほど、そういう事なんですか。チョコレートは脳に良いのは勿論ですが、精神にも良いですから。実は僕もチョコではありませんが、これを常に持ち歩いてます。」
そう言うと安室はジャケットのポケットから取り出したものを花音に渡した。
「良かったらどうぞ。」
「わ、ありがとうございます！ミルクティーの飴ですね！安室さんミルクティー好きなんですか？」
「そうですね。紅茶を飲むならミルクティーばかり飲んでますね、コーヒーならブラックですが。花音さんは？」
安室に聞かれ花音は少し考えた。
「私も、紅茶はミルクティーです。コーヒーは基本ブラックなんですけど、カフェオレとかも割と好きですね。・・・そういえば安室さんの髪ってミルクティーみたいで綺麗ですよね。いつもキラキラしてる。」
花音がそう言うと安室は少し驚いた顔をした。
「え、ありがとうございます。でも花音さんの黒髪もとても綺麗ですよ。ストレートでキューティクルもいつも輝いてますし。」
お互いを褒めあっていると、あっという間に花音の家に着いた。
「今日もありがとうございました。キャンディーも！」
「いえ、僕が花音さんとお話したかっただけなので！僕の方こそ付き合って頂いてありがとうございました。それでは僕はこれで！おやすみなさい、花音さん。」
「おやすみなさい、安室さん。」
花音は安室が去るのを見届けた。